留学経験「役立つ」93%-資金や語学力の困難を乗り越え海外へ

グローバル化が進む現代社会。今後は外国人とのコミュニケーション力や英語力が求められる場面がたびたびありそうだ。そんな社会を見据えて、高校在学中や大学進学後の海外留学を考えている高校生も多いだろう。しかしながら、留学して何が得られるのか? 留学経験は役立つのか?――留学経験者は実際どう感じているか、日本学生支援機構が実施した「海外留学経験者追跡調査」から探ってみよう。

 

■留学前に困ったことは?
「留学に興味はあるけど気がかりもある」と迷っている人もいるだろうが、アンケートに回答した留学経験者も同じような状況だったようだ。留学前に困ったことについて「特にない」(28.9%)が最も多かったものの、残りの人は何かしらの困難を感じていたという。

 

留学前に困ったこと

 

困ったことのトップは「資金調達」(22.4%)。回答者(留学期間6カ月~2年未満が約半数)の平均総費用は241万円と決して安くはない金額だ。資金調達方法は「自費・仕送り」が85.2%を占めるが、「交換留学(授業料相互免除)」(9.0%)や「外国政府奨学金」(5.4%)を利用した人もいる。日本学生支援機構をはじめとする各種団体が実施する、海外留学のための奨学金制度があることも知っておきたい。

 

2番めに多いのは「語学習得」(16.6%)。留学前の語学学習方法に関する質問では「独学(テレビ・ラジオ講座含む)」(40.6%)、「語学学校(通学)・個人授業」(30.7%)、「日本の大学等の語学クラス」(29.5%)など、それぞれの方法で努力したようだ。

 

■海外留学で得たものは?
留学は具体的にどんな効果があるのだろうか。留学で得たものトップ3は、「視野が広がった」(54.0%)、「語学力」(33.1%)、「異文化・国際感覚」(31.8%)。その他にも生き方・考え方への影響から将来仕事に役立ちそうな力まで、幅広い項目があがっている。

 

留学で得たもの

 

■海外留学は役立つ?
「留学経験が今後役立つ」と感じている留学経験者は93.1%で、留学経験の評価は非常に高い。また、現在の仕事に限定して役立ち度を聞いても、「非常に役立っている」「役立っている」の合計が5割以上。留学経験を生かして働いている人が多い。

 

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最後に、アンケート回答者からこれから留学する人へのメッセージをいくつか紹介しよう。

●環境が違うから戸惑うけれど、それは最初だけ。最初を乗り越えれば絶対に楽しい留学になるし、あとで役立つ(ドイツ留学/男性)


●目的意識をしっかりもって行くことが重要(アメリカ留学/女性)


●帰国して何年たっても、後悔よりも留学で得た経験の貴重さが勝ります。どんどん先をみてチャレンジしてほしいです(オーストラリア留学/女性)

 

このほかにも留学を後押しするコメントや、留学する際のアドバイスなどがあがっている。留学に興味のある人は、こうした先輩の話を参考に検討するといいだろう。