音楽系の大学・専門を卒業したKEYTALKから高校生たちに届ける応援歌Vol.2
「バンドや音楽に興味があるけど、専門の学校へ進学すべきか、それとも、現実的な道を歩むべきか、悩んでいる…」
そんな高校生のために、人気急上昇中の4人組ロックバンドKEYTALKからのメッセージ第二弾。
初の横浜アリーナワンマンライブが発表され、ますます注目を集めているKEYTALKは、4人全員が音楽系の大学や専門学校を卒業している。
どんな学生時代を過ごし、何を学んだのだろうか?
音楽の夢を追いかけたい高校生たちにとって、ヒント満載のインタビュー!
高校時代の過ごし方を聞いた第一弾はこちらから
音楽大学での出会いがきっかけで4人がひとつになった
「大好きな音楽を続けていきたい!」と進学したKEYTALKの4人。
高校3年の終わりから、ギターの小野武正(おの たけまさ)さんとドラムの八木優樹(やぎ ゆうき)さんは、ボーカル&ベースの首藤義勝(しゅとう よしかつ)さん(当時はベースのみ)をサポートメンバーに加えて、ボーカルを探しながら活動をしていた。
そして、小野さんは音楽大学でボーカル&ギターの寺中友将(てらなか ともまさ)さん(通称:巨匠)と出会う。
「巨匠とは大学の同じコースでした。
実技の授業で一緒に演奏することがあったのですが、めちゃめちゃ歌が上手くて!
でも、アコースティックギターの弾き語りをしていたから、ロックバンドには興味ないのかなと思っていたんです」(小野さん)
良い声で歌がうまい寺中さんがバンドに入ってくれたら、とひそかにねらいつつ、ライブに誘っていたそう。
左:ボーカル&ベースの首藤義勝さん 右:ボーカル&ギターの寺中友将さん
「2~3回、ライブを観に来てくれたんですが、東京・下北沢の屋根裏というライブハウスで演奏した翌日、巨匠が『おれも、あんな場所で歌ってみてーなー』って」(小野さん)
「じゃあ、入ってよ!」
と、さっそくスタジオで練習開始。
首藤さんも正式メンバーになってもらって、ここで4人がガッツリひとつに!
そして、大学1年の10月、KEYTALKの前身バンド・realとして、下北沢の屋根裏で4人そろって初めてのライブをした。
100社以上にデモCD-Rを送り、今の事務所の社長と出会った
下北沢のライブハウスを中心に活動していたrealは、デモCD-Rを作って、デビューを目指すようになる。
「音楽事務所、音楽出版社、レコード会社など、大小、メジャー、インディーズ問わず、自分たちの好きなアーティストがかかわっているところに片っ端からCD-Rを送ったんです。
100社以上あったかな。そのうち10社くらいから興味があると連絡がきて、ライブを観てもらったり、直接会って話を聞いたり」(小野さん)
左:ボーカル&ベースの首藤義勝さん 右:ボーカル&ギターの寺中友将さん
「専門学校でレコーディングエンジニアを専攻していたから、学校で学んだ技術が役立ちました。もう、はりきって作りましたよ(笑)」(首藤さん)
「大学2年から3年の間は、ライブ活動をしながら、デモCD-Rに興味をもってくれた大人たちとふれあう機会でした。
その中で、下北沢に事務所があるマーガレット・ミュージックの社長の古閑 裕さんに出会ったんです。
一番最初の頃からライブに来てくれて、何回も話し合いましたが、一番ノリが合うというか、おもしろいなって感じがして。
1年くらいアプローチしてくれていた古閑さんのところでやりたいって思ったんです」(小野さん)
高校時代から下北沢へのあこがれが強く、下北沢のライブハウスを中心に活動していたこともあり、「下北のインディーズ番長」として知られる古閑さんに運命を感じたのだろう。
同社内のレーベル・KOGA RECORDSに所属して、バンド名をKEYTALKに改名。
大学4年になる直前の2010年3月にインディーズデビューシングル「KTEP」、7月に1stミニアルバム「TIMES SQUARE」をリリースした。
その後、2013年にメジャーデビューするまでには低迷期もあったそう。
「思ったほどCDが売れず、お客さんも増えない時期があったんです。
でも『大学生』という猶予期間があったから、悲観することなくポジティブに続けていけましたね」(小野さん)
大学を卒業する頃には、少しずつお客さんが増えていくのを実感。
250人規模のワンマンライブをSOLD OUTしたり、CDだけでなくグッズも売れてくると、どんどんライブ活動がおもしろくなっていったという。
学校で音楽を学んだベースがKEYTALKの魅力に
左:ギターの小野武正さん 右:ドラムの八木優樹さん
「巨匠(寺中さん)に会えたことに尽きます(笑)。音楽大学へ通って、マイナスなことは何ひとつなかった。
超有名ミュージシャンのバックでギターを弾いている先生に習い、『THE最前線のプロのギタリスト』の考え方や演奏テクニックを肌で感じられたのが大きかったですね。
友達と授業以外でもスタジオに入り、毎日のようにセッションをして、生活の中に音楽が自然にあったという環境が、今につながっています。
ロックシーンだけにいたら知り合えないような、いろいろなジャンルの専門家にも出会えて、音楽の幅が広がりました」(小野さん)
「自分は裏方の技術を勉強したのですが、18歳のうちからプロの音楽機材を使って音楽を作る経験ができたのはよかったですね。
実際にアーティストの演奏を録音してCD制作する現場に立ち会って実習したことも、今のレコーディングに生かされていると思います」(首藤さん)
メンバー全員が作詞作曲をしていて、アルバムでは複数曲ずつ提供。
ポップな曲から、ダンサブル、ひたすらカッコイイROCK、ハードコア、スカなど、4人のキャラクターを感じさせるバラエティー豊かなサウンドを聴かせてくれるKEYTALKの魅力は、それぞれが音楽を専門に学んできた土台から生まれているのだろう。
やりたいことがあるなら、目標を定めて進んでいこう
左:ギターの小野武正さん 右:ドラムの八木優樹さん
夢に向かって進むのか悩んでいる高校生に、ひとこと伝えるとしたら?
「自分は、親が応援してくれたのが大きかった。
でも、もし親に反対されても、学生のうちに親を説得させる実績を作れば、応援してくれると思うんです。
口だけじゃなくて、ライブを観てもらうとか、デモ音源を作って売り込み活動をしていることを示すとか。
自分たちも、卒業までにCDを全国リリースして、音楽雑誌に載ることを目標にしていました。
現実的に考えたうえで夢に向かっているんだよって、目に見える成果があれば納得してもらえるから、そういうのが大事だと思いますね」(小野さん)
「夢があるなら、やったほうがいいと思います。
でも、売れるのが目標なのか、やり続けることが目標なのか、ちゃんと決めてほしい。普段は会社勤めで時々ライブをするだけなのにめちゃめちゃ人を呼べるバンドだってありますし、メディアに出て華々しく活動するだけがバンドではないので。
ぼくは音楽が好きだったから、何をしていてもバンドを続けたいと思っていました」(八木さん)
左:ボーカル&ベースの首藤義勝さん 右:ボーカル&ギターの寺中友将さん
「進学に関して言うと、必ずしも選んだ進路で将来が決まるわけではありません。
音楽の学校へ行ってもプロになれるとは限らないし、全然関係ない経済学部に入ったのに音楽の道で成功した人もいます。
結局は、気持ちさえあれば。深刻になる必要はないんです。
何が正解っていうのはないから、自分が一番正しいと思う方向へ進めばいいと思います」(首藤さん)
「自分は、進学をするんだったら、ある程度やりたいことを決めたほうがいいと思います。
もちろん、自分が何をしたいか探すために進学する人もいるけど、できれば方向性を決めたほうが、もしそれが叶わなかったとしても、その姿勢が違うところで実を結ぶこともあるんじゃないかな」(寺中さん)
答えはいつだって君の中にある 何度だって立ち上がるんだ
4thアルバム『PARADISE』から高校生に1曲贈るとしたら?
全員で声をそろえて「Oh!En!Ka!」
~ずっとずっと悩んだって仕方ないだろ
答えはいつだって君の中にある
振り返れば確かな足跡が 君の元まで続いているだろ
何度だってまたそこから立ち上がるんだ
そんな君に歌いたい歌があるから
その心に確かなスタートを 声を枯らして君に届け応援歌~
「新しいことにチャレンジしたり、新しい一歩を踏み出す人への応援歌です。ただ背中を押すだけじゃなくて、誰だってツライときもあるけど、それはみんな同じだよってことを伝えたいですね」(寺中さん)
「ライブにも足を運んでもらえるとうれしいな。曲って、ライブでどんどん育っていくので、その過程も楽しんでもらえたら」(小野さん)
下北沢のライブハウスから、日本武道館、そして横浜アリーナへ、どんどん大きなステージに向かって走り続けているKEYTALK。
その応援歌を聴いて、君たちも新たなスタート地点を探してみよう。
KEYTALK
2009年に小野武正(ギター)、首藤義勝(ボーカル&ベース)、寺中友将(ボーカル&ギター)、八木優樹(ドラム&コーラス)で結成。2013年メジャーデビュー。2015年にはキャリア初となる日本武道館ワンマンライブを開催。
2017年3月15日に待望の4thアルバム『PARADISE』を発売。
4月から全国ライブツアー「KEYTALK爆裂疾風ツアー2017~みんなの街でパラリラパパパラダイス~」、9月10日には初の横浜アリーナワンマンライブを開催。
http://keytalkweb.com/
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