問題文の読み間違えで落としてる!?入試で勝てる“30点の拾い方”

まもなくやってくる大学入学共通テスト。

特に国公立大学の志望者では、1点の差がボーダーラインになってしまうことも…模試や定期テストで問題文の読み間違いやケアレスミスをしがちな人にとっては一大事なんです!

試験の大敵になりがちなミスを3つのタイプに分けて、原因や対策を調べてみたよ。

 

スタサプ高校生エディターが検証!ケアレスミスで何点取り返せる?


実際のところ、問題文の読み間違いやケアレスミスを減らしたらどれくらい得点アップできるのか、二人の現役受験生スタサプ高校生エディターに協力してもらい、検証してみたよ!
協力してくれたのはこの二人!

●いっさ
国公立大学志望の高校3年生。友達いわく“変なとこ几帳面なのにおおざっぱ”なタイプ。得意教科は数学。

●あすか
幼児教育系の私立大学志望の高校3年生。“おっちょこちょい、天然”とよく言われるけど、イマイチ自覚なし。

大問の1問めを読み間違えて30点減!


国公立大志望で5教科8科目を受験予定のいっさは、最近の模試で衝撃のミス。

数学の大問の1問めで数字を読み間違えたことで、大問を丸々ひとつ落とし30点を失う事態に。

全科目合計すると、ケアレスミスでの減点は62点!?
 
科目 ケアレスミスをした問題数 ケアレスミスで落とした点数
国語 3問 21点
数ⅠA 9問 30点
数ⅡB 0問 0点
英語(リスニング) 0問 0点
英語(リーディング) 0問 0点
化学 1問 4点
生物 2問 7点
現代社会 0問 0点
とにかく時間がぎりぎりになりがちで、問題文を読み違えたり、見直しがちゃんとできなかったり…特に共通テストの想定問題は文章量が多くて、いつも以上に時間に追われます。

配点が高いところでミスするとキツいなぁ(涙)(いっさ)
 

理解はしてるのに部分点になりがち…


私立大志望で国・英いずれか1教科受験予定のあすか。

今回の定期テストではケアレスミスは少なめ。だけど、受験教科数が少ないだけに「わかっていたのに落とした2点」が大きい…
 
科目 ケアレスミスをした問題数 ケアレスミスで落とした点数
現代文 1問 2点
古典 1問 2点
日本史 0問 0点
コミュ英 0問 0点
どの教科も時間が足りなくて、見直しがちゃんとできていないのがケアレスミスに繋がってる気がする(汗)

せっかく覚えてきたんだから全部埋めなきゃ!みたいな気持ちの焦りが出ちゃいがちです…(あすか)

あなたのミスはどこから?ミスの原因チェックリスト!


まずは自分のケアレスミスの原因がどこにあるのか見直してみよう!

①~③のチェックリストを確認して、それぞれの項目でいくつチェックがついたか確認してみてね。
 
①時間に追われてありえないやらかし!バタバタ系ミス

☑良い点を取らなきゃ!と気を張ってしまいがち。

☑いつも試験時間ギリギリまで問題を解いている。

☑試験本番に限って普段しないようなミスをする。



②試験前半はペンが走りまくる(ただし間違う)!イケイケ系ミス

☑問題文の読み間違えや読み飛ばしが多い。

☑試験問題は勢いよく解き進める。

☑理解できていたのに解答のしかたを間違えて減点される。



③漢字・年号・スペル…うろ覚え&書き間違いで頭の中がカオス!ぐるぐる系ミス

☑英語のスペルミスや漢字の間違いなどうっかりミスをしがち。

☑歴史の年号など、似た名前のものが出てくるとこんがらがる。

☑試験直前に詰め込みで暗記をすることが多い。
① ~③でチェックが多くついた項目が、あなたのミスの原因かも。

それぞれのミスの原因や、防ぐための対策を見ていこう!

タイプ別!ミスの原因&克服法


スタサプ高校生エディターに実施したアンケートの回答の中で、多かった主なミスの原因は3つ。

それぞれのミスがどんなふうに起きるのか、どうすればミスをしにくくなるのか、専門家の先生に聞いてみたよ。
お話を聞いた先生

●和田秀樹先生
精神科医・受験アドバイザー。代表を務める緑鐡受験指導ゼミナールからは、多数の東大合格者を輩出している。

主な著書に『受験は要領』、『ケアレスミスをなくす50の方法』など。

時間に追われてありえないやらかし!バタバタ系ミス



 限られた制限時間で多くの問題を解かなくてはいけない模試などで起きやすいミス。

解答欄がズレてしまったリ、先を急ぐあまり半端な解答になって部分点しかもらえなかったり、とにかく最後まで埋めることに必死になっちゃう…


<高校生エディターがやっちゃった!バタバタ系ミス>
・焦りすぎて最後のプリントの裏に問題があることを知らなくて、丸ごと落とした。(高校2年・タコ・岐阜県)
・領域の問題で、図を描いただけで満足し、文章を書くのを忘れて20点減点(涙)(高校2年・おたえ・大阪府)
・数学で少し自信をもって暗算したら普通に間違えてその先も道連れになり、-7点…(高校3年・レン・神奈川県)
「できるだけ満点に近づけないといけない!」と思うと試験を最後まで解かなくてはいけないと焦ってしまいがちですが、本来は志望校の合格ラインの点数さえ取れれば良いのです。

今の自分の知識でその点数に足りる分の問題を着実に解くことを考え、問題全体を見ながら落ち着いて時間配分を考えましょう。(和田先生)

試験前半はペンが走りまくる(ただし間違う)!イケイケ系ミス



その問題で何を問われているのかきちんと読まずに解答してしまったリ、数字を読み間違えたり、勢いよく解き進めるがために起きる得意教科でやりがちなミス。

小問同士がひもづいている大問の序盤でミスすると、得点にも大ダメージ。

<高校生エディターがやっちゃった!イケイケ系ミス>
・「適当でないものを選びなさい」という問題なのに、問題文をよく読まず合っている選択肢を選んでしまった。(高校3年・めい・神奈川県)
・問題は「x」と書いてあるのに「a」で解き進めてしまい、解答は合っているのに0点になってしまった。(高校2年・きむきむ・兵庫県)
・()内だけ答えればよかったのに、わざわざ時間をかけて全文書いてしまい点数を引かれた。(高校1年・まんちーず・神奈川県)
問題文の読み間違えは、そもそも問題文を読む習慣が身についていないケースが多いです。

教科書の読み直しや基礎の理解も大切ですが、問題演習をたくさんして、問題文を読む機会を増やすことが大切です。

自分がどんな読み間違えをしやすいのか、ミスの経験を蓄積し、傾向を分析することが予防につながります。(和田先生)

漢字・年号・スペル…うろ覚え&書き間違いで頭の中がカオス!ぐるぐる系ミス


日本史・世界史の年号や人名、英語のスペルなど、暗記系の設問で起きやすいミス。

「あれ、なんか似たような名前の人がいた気が…」とこんがらがってしまい、自信がなくなって手が止まってしまう原因にもなりやすい。

<高校生エディターがやっちゃった!ぐるぐる系ミス>
・桶狭間の戦いを踊狭間の戦いと書いてしまった。(高校2年・あみ・青森県)
・英語のテストでMount FujiをMount Muji と書いていた。(高校2年・ぴぷう・長崎県)
・「have」と書くつもりがeを書き忘れ「hav」となってしまった。しかも中間と期末で2回も…(高校2年・イダソ・神奈川県)
 
たくさんのことを覚えようとすると、混乱することが増えます。

試験においては出題される部分さえ覚えれば良いので、志望校の過去問などを解きながら、出題されやすい単元や問題の傾向を分析し、覚える内容を絞り込むと良いでしょう。

出題されないところに力を割かずに済むよう、覚えることを減らす工夫が大切ですね。(和田先生)
最後に、和田先生から受験生のみんなへのアドバイスをもらったよ!
プロ野球の選手でもマウンドに立った時に100%成果が出せるとは限らないように、緊張した時にミスはどうしても起きます。

自分がどんなミスをするのか、失敗のパターンをできるだけ多く蓄積して、「前はここでミスをしたから、今度はしない!」と考えることを徹底しましょう。

そうすると自分に対して、経験からの根拠がある自信がもてるようになっていき、緊張からのミスも減っていくはずです。(和田先生)
 

“問題作成方針”にヒントあり!出題者の気持ち、考えたことある?

問題文の読み間違えで20点落とす!?入試で勝てる“20点の拾い方”
和田先生も教えてくれたミスを減らす重要な対策のひとつ、「出題されやすい問題の傾向の読み取り」。

重要なのはなんとなくわかるけど、実際どんなふうに進めたらいいのか迷ってしまうよね。

そこで、赤本を発行している出版社「教学社」の編集部のみなさんに、どんなふうに「出題者の意図」を読み取っていけばいいのか、試験別のコツを聞いてみたよ!
 

共通テスト編:対策問題集や参考書を利用して、問題作成方針を確認しよう!

試行調査では、数学で会話文を読ませたり、全科目において複数資料を読み取らせたりする問題が出題されました。センター試験以上に読解量が増えているので、資料の中で解答に必要な情報を読み取る読解力が求められます。

大学入試センターのWebサイトでも公開されている問題作成方針には「センター試験における良問の蓄積を受け継ぎつつ」と明記されているので、「思考力」など共通テストで重視される力がどのように問われてきたのかを分析しながら、センター試験の過去問で様々なタイプの良問にあたるのが良いと思います。

問題作成方針は、共通テスト対策問題集や参考書に要点を抜粋して掲載されている場合もあるので、そういったものを活用するのもおすすめです。

二次試験編:アドミッション・ポリシーが出題意図の大ヒント!

各大学には、「アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)」があり、それに基づいて選抜が行われます。

よく問題処理能力重視の東京大学と、発想重視の京都大学の入試傾向の違いが例に挙げられますが、東京大学のアドミッション・ポリシーには「持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さ」、京都大学は「自らの自由な発想を生かしたより高度な学び」とあります。

入試問題には、「こんな人に来てほしい(こんな問題が解けるように勉強してきてほしい)」という大学からのメッセージが反映されているので、志望校のアドミッション・ポリシーにはぜひ一度目を通してみてください。

思った以上の大量失点につながることもあるケアレスミス。受験直前だからこそ勉強量を詰め込むばかりでなく、一見遠回りでも勉強法を見直しながらミスを減らして「今の実力を100%出し切る」ことも大切。

実力を100%出し切るための準備、ぜひ今から始めてみてね!
取材・文・構成/佐藤南美(本誌) イラスト/よぴんこ 監修/和田秀樹、教学社 編集部 取材協力/いっさ、あすか(スタサプ高校生エディター)
 

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