大学受験の服装は?制服or私服?NGな服装は?大学面接時や宿泊受験時の服装アドバイス付き
大学入試のとき、どんな服装がベストか気になるという声を耳にするけど、基本的には制服でも私服でもOK!
とはいえ、服装で気をつけておくべきことはあるし、特に面接がある場合の服装には注意が必要。
そこで、今回は先輩たちがどんな服装で受験をしたのかについて教えてもらったよ。
さらに、総合型選抜・学校推薦型選抜の受験対策で豊富な指導実績をもち、スタディサプリ大学受験講座の講師も務める神﨑史彦先生にもアドバイスももらったので、大学入試の服装が気になっているという受験生のみんなは参考にしてみて。
神﨑史彦先生
株式会社カンザキメソッド代表取締役。
スタディサプリ講師。私立学校研究家。高大接続・教育コンサルタント。
大学卒業後、大学受験予備校において小論文講師として活動する一方、通信教育会社や教科書会社にて小論文・志望理由書・自己アピール文の模擬試験作成および評価基準策定を担当。
延べ6万人以上の受験生と向き合うなかで得た経験や知見を基に、小論文・志望理由・自己アピール・面接の指導法「カンザキメソッド」を開発する。
現在までに刊行した参考書は26冊(改訂版含む)、販売部数は延べ25万冊、指導した学生は10万人以上にのぼる。
目次
大学入試は何を着ていくべき?制服?それとも私服?
大学受験の服装は、制服でも私服でも、自分の好きな服装でOK。
大学の募集要項を見ても、特に服装についての注意事項はない。
ただし、英語・漢字・数式・地図など、カンニングの対象になりかねないものがプリントされている服はNGです。
面接がある場合は、制服またはスーツ、ジャケットとパンツなど、公式の場にふさわしい服装が望まれます」(神﨑先生)
一般選抜では制服と私服でほぼ同率!共通テストでは制服!という結果に
大学の一般選抜を受験した先輩83人に、入試のときの服装について聞いてみると、
●制服46人(55%)
●私服37人(45%)
やや制服が多いものの、半々くらいに分かれていた。
また、大学入学共通テストを受験した先輩82人では、
●制服51人(62%)
●私服31人(38%)
と、制服の比率が上がっていた。
制服を選んだ理由としては、
・「まわりがもし制服だったら、戸惑って、より緊張してしまいそうだったので、無難な制服にした」(れんげん・女性・兵庫)
・「同じ会場に同じ高校から受験する人がたくさんいたので、仲間意識を保つため、制服を着た」(とぅる・女性・北海道)
・「いつも勉強しているときの服装がよかったから、制服にした」(りり・女性・大阪)
一方、私服を選んだ理由としては、
・「模試で私服だったから、同じ気持ちで受けられるよう私服にした」(金銀・男性・岐阜)
・「かしこまった感じにしたくなかったから、私服を着た」(ゆーき470・男性・大阪)
・「制服では寒かったから。 私服のほうが浮かないと思った」(サボテン・女性・埼玉)
という理由が聞かれた。
大学受験時の服装で気をつけるべき点
大学入試の服装は、試験会場の気温に合わせて体温調整ができるとベスト。
さらに、私服や制服の上に羽織るものとインナーは、カンニングの対象になるプリント、派手な色や柄などを避けたほうが無難。
どんな服装でも問題ないが、高校生らしく清潔感のある服装を心がけたい。
大学受験の私服で気をつけることを神﨑先生に聞いてみた。
体温調節ができる服装を考えよう
大雪が降って、急激に寒くなることもあります。
逆に暖房が効きすぎて、暑いくらいの教室があるかもしれません。
私服の場合はもちろん、制服でも羽織るものを用意したり、インナーなどで重ね着もできたりするので、寒さ対策、暑さ対策を考え、試験会場に合わせた体温調整ができる服装で、快適な状態を自分で作りましょう」(神﨑先生)
同じ教室内でも、暖房器具の近くだと暑くて、窓際は寒い、ということもあるので、その場で脱いだり着たりして調節できる服装を考えよう。
前開きの上着やボタン・ファスナーで脱ぎ着がしやすいものだと便利。
特に寒がりの人は、ひざ掛けやショールなどを用意してもいいが、小物はNGの場合もあるので、念のため、会場の試験監督に確認しておこう。
英語・漢字・数式・地図がプリントされている服はNG
英語や漢字はもちろん、数学の公式や地図なども要チェック。
ただお気に入りのデザインの服を着ていただけなのに、試験監督に注意されてしまったら、メンタル面でマイナスになるので、もったいないですよ」(神﨑先生)
制服の場合、寒くてパーカーを羽織ったらバックプリントに英文があった、暑くて制服を脱いだらインナーのTシャツが地図のプリント付きだった、ということもあるので、脱ぎ着することを想定して服装を選ぼう。
蛍光色などのハデなTシャツは避けよう
プリント付きの服と同様、ハデなTシャツも、制服のインナーだから大丈夫と思っていると、暑いときに脱げなくなるので、注意しよう。
一般選抜はどんな服装?どんなことに注意した?大学受験をした先輩に聞いてみた!
・「最も無難な選択肢で、服に英語が入っていないことが確定的だから、制服を着た」(Ideal・男性・千葉)
・「無地の黒スウェットと黒のデニム。部屋が暑かったときのために腕まくりができる服装にした」(きくりん・男性・京都)
・「白のシャツと黒のジョガーパンツ。動きやすさと脱ぎ着しやすさを重視した」(チュニ・男性・三重)
・「チェックのセーターとジーンズ。寒さ対策に厚手のもの。試験時間が長いので着ていて楽なもの」(そまこ・女性・埼玉)
・「Tシャツと赤いチェックスカート。頑張れるように、かわいい服を着た」(ぱんつ・女性・愛知)
面接がある場合は制服着用率が多い!
総合型選抜や学校推薦型選抜など大学の面接試験を受験した先輩48人に、面接のときの服装について聞いてみると、
●制服43人(89.6%)
●私服5人(10.4%)
と、制服が圧倒的に多かった。
私服を着て行ったのは、制服がない学校の生徒や浪人生など。
制服がない場合も、スーツ、白いシャツとパンツ、ジャケット着用など、おとなしい感じの服装を選んでいるようだ。
面接時の服装のアドバイス
面接のときは制服がベストだが、私服ならスーツやジャケットとパンツなど、おとなしい雰囲気の服装が望ましい。
制服がない高校の生徒や浪人生は、ジャケットとパンツが多いようです。
面接のときはシャツとパンツで、行き帰りはパーカーを着ている人もいます。
ネクタイは、世間的にクールビズなどによるノーネクタイの風潮もあるので、付けても付けなくてもいいと思います。
女子学生の場合、ワンピースよりも、将来の就職活動に使えるスーツを買う人もいます。
ジーンズは、面接官によっては気にしない人もいるけれど、避けたほうがいいでしょう。
服の色は落ち着いた色で、シャツなら白かブルー。
ジャケットは、紺、グレー、黒などが一般的です」(神﨑先生)
面接の私服はどんな服装?どんなことに注意した?
・「ニットと黒のパンツ。寒さ対策を重視した」(らぱん・女性・千葉)
・「白いワイシャツと黒のチノパン。紺のコートを着た」(ヅカ・男性・東京)
・「白いシャツにスーツのジャケットとスカート。派手にならないようにした」(Ri・女性・熊本)
宿泊を伴う受験時の服装のアドバイス
宿泊を伴う場合は、なるべく荷物を減らしたいので、一般選抜なら私服のほうが楽。
体温調節ができるよう重ね着用の薄手の服を数枚持って行けば、厚手のパーカーやセーターよりも荷物がかさばらない。
制服を持って行くときは、シワにならないよう注意したい。
ホテルに着いたらすぐハンガーにかけること。
シワになっていたら、ホテルのフロントに言えばアイロンを貸してくれるところもある。
ズボンプレッサーを用意しているホテルもあるので利用しよう。
大学受験時の服装に関するQ&A
みんなの不安を解消するため、ここからは大学受験時の服装に関するちょっとした疑問にどんどん答えていくよ!
大学受験の服装でジャージはNGですか?
面接がある場合、ジャージはNG。
面接官によっては、どんな服装でも気にしない人もいるが、一般的には制服か、それに準ずる服装が望ましいので、Tシャツやジャージ、パーカーなどのラフな服装は避けたい。
一般選抜の場合は、どんな服装でもOKなので、ジャージでも問題ない。
大学での面接でメイクをしてもいいですか?
面接では、できればノーメイクが無難。
顔色を明るくする、ニキビを隠す程度の薄いメイクなら許容範囲の場合もあるが、一般的には面接のときにメイクをするのはNG。
メイクをして面接官に良い印象を与えることはあまりないので、高校生らしく、無色のリップクリームくらいに抑えておこう。
ハイソックスやタイツでもOKですか?
一般選抜はもちろん、面接でもハイソックスやタイツはOK。
白、黒、紺、グレー、茶色など、落ち着いた色なら問題ない。
防寒のためにもなるので、気温に合わせて着用したい。
ただし、面接がある場合は、派手な色や柄の付いたハイソックスやタイツはNG。
一般選抜でも、柄によってはカンニングだと疑われることがあるので気をつけたい。
どんな靴を履いていけばいいの?
一般選抜の場合は、どんな靴でもサンダルでも問題ない。
面接のために制服やジャケットとパンツを着用しているなら、革靴やローファーを履きたい。
制服の場合は、白のスニーカーでもOK。
ただし、靴のかかとを踏んでいたり、汚れたスニーカーを履いていたりすると、面接官の印象がマイナスになるので、気をつけよう。
大学面接の際の服装は、浪人生はスーツですか?
面接がある場合、浪人生はスーツが無難。
前述のとおり、面接では浪人生もカジュアルな服装は避けたいので、スーツまたはジャケットとパンツを着用しよう。
スーツをもっていれば、大学の入学式に着たり、就職活動にも使えたりするので、この機会に1着購入する人も多いようだ。
受験当日必ず持っていきたい持ち物
受験票や筆記用具、時計など、受験当日の持ち物もチェック!
当日の朝になって慌てないよう、前日までにそろえておこう。
受験票
必須アイテム。
できればコピーを取って、原本とは別の場所に保管しておこう。
筆記用具
鉛筆・シャープペンシル・消しゴムは複数持って行きたい。
鉛筆削りやシャープペンシルの替え芯も忘れずに。
時計
試験会場に時計がない場合もあるので、時計は必須。
スマートフォンやスマートウォッチを時計代わりに使用することはできない。
腕時計などは電池の消耗度はわからないので、できれば新しい時計を使いたい。
予備の時計と2個もっていると安心。
スマートフォン・携帯電話
試験中は使用不可だが、電車が遅れる、体調が悪くなるといったアクシデントで試験開始時間に間に合わないとき、試験会場や学校に連絡するために必要。
現金・交通系のICカード
交通系のICカードがあれば、切符を買わずに改札口を通ることができて、飲物の自動販売機や売店でも買い物に使える。
チャージ残高が十分あるか、事前に確認すべき。
キャッシュレス決済ができないところもあるので、現金ももっておこう。
身分証明書(生徒手帳・生徒証)
受験票を忘れたとき、身分証明書があればスムーズに対応してもらえることがある。
また、担任の先生に相談したいことがあったとき、高校の電話番号がすぐわかる。
ハンカチ・ティッシュ
風邪をひきやすい季節は、ティッシュを多めに持って行こう。
ハンカチの代わりに、ハンドタオルでも使い勝手がいい。
薬
常用している薬があれば、絶対に忘れないよう、準備しておこう。
頭痛になりやすい、下痢をしやすい、生理痛が重いなど、体調を崩す心配がある人は、常備薬も用意しておきたい。
目薬をもっていれば、目が乾燥したり、疲れたりしたときにリフレッシュできる。
飲物・軽食
喉が渇いたり、お腹が空いたりして、集中力を切らすことがないよう、飲物や軽食を持参。
試験会場へ行く途中にお店がないところもあるので、当日、現地で調達しようとは考えず、前日までに買いそろえておこう。
受験当日のあると便利な持ち物
必須ではないが、あると便利なグッズも参考にしよう。
使い慣れた問題集や参考書、まとめノートなど
今まで勉強してきた問題集やノートなどで、試験前の最終チェックをすれば、「こんなに頑張ってきた」と再確認できて自信につながる。
お守り
神社の合格祈願・学業成就のお守りだけでなく、家族や後輩の手作りのお守り、寄せ書き、メールやメッセージでも励みになるので、もっていると心強い。
防寒アイテム・カイロ
試験会場が寒かった場合、上着やひざ掛けがあると役立つ。
ただし、ひざ掛けなどの小物はNGの場合もあるので、会場の試験監督に確認しておくと安心。
カイロは、かじかんだ手や、緊張で痛くなったお腹を温めることもできる。
お菓子・ゼリー飲料
チョコレートやラムネ菓子など、糖分補給できるお菓子を休み時間に食べると、気分転換になって、元気も出る。
緊張して食欲がわかないときは、ゼリー飲料を食事代わりにするといい。
タオル・靴下
雨や雪が降っているときは、試験会場へ着くまでに服や靴下が濡れてしまうことがあるので、タオルと替えの靴下を用意しておこう。
濡れた靴下を履いていると、身体が冷えるし、ストレスにつながることもある。
受験当日に必要な持ち物チェックリスト。便利な持ち物、服装、過ごし方まで徹底解説!
大学受験の服装は基本的には自由
大学受験の服装は、制服なら無難だけど、どんな服装でもOK。
ただし、面接のときだけは注意して。
高校生らしい服装なら大丈夫なので、自分が一番リラックスできて、普段と同じ気持ちで試験が受けられる服を選んでね。
監修/神﨑史彦 ライター/やまだ みちこ 構成/黒川 安弥
※スタディサプリ進路調べ:2023年11月21日(火)~11月22日(水)大学生104人を対象にアンケートを実施
※2023年11月取材時点の情報になります。