武豊町には小学校・中学校が6校あり、曜日ごとに学校を巡回して子どもたちの状況を把握し、問題があれば改善に向けて行動するのがスクールソーシャルワーカーの仕事です。例えば不登校があれば、なぜ不登校かの情報を収集してアセスメントと分析を行い、子どもが本来持っている力をどうすれば発揮できるかを考えて、子ども周辺環境にアプローチしていきます。決して全部が良くなることではないし、難しい課題が多い現実はありますが、中には改善が見えて子どもから「助けてくれる人がいると思わなかった。ありがとう」という言葉をもらったり、笑顔を見せるようになった姿を見ると、この仕事をしている意義を強く感じます。
高校生の時は保育士をめざしていて、高校は保育コースのある福祉科へ進みました。そこで保育の実習に児童館へ行き、子どもの成長に悩む保護者の姿に接しました。その悩みは切実で、不安を感じながら子育てをする保護者の気持ちを高校生ながらに感じることになりました。高校生だった私は、かわいい子どもと触れ合える魅力的な職業として保育士をめざしていたのですが、その体験をきっかけに子どもを取り巻く環境の重要性に気づき、養育環境を支援することが子どもの幸せに繋がると思うようになりました。その後、社会福祉学部のゼミでスクールソーシャルワークや子どもの貧困などを学んでいたところ、先生からご紹介いただいたのが今の職場です。
大学生活で、私の世界はすごく広がりました。まず1年生の時に、地域が社会福祉の基盤だということに気づきました。地域に色々な人が住んでいて、そこに住む人々のために福祉があるということです。社会福祉を学ぶことは、地域社会の暮らしと密接に関わっていると実感しました。その上で、たくさんの人との出会いが私を成長させてくれました。授業や実習や学生生活で、子どもと接したり、同学年や違う世代と話したり、地域の方々の話を聞いたりすることで、「人と関わる」という福祉の根本的なことを学べました。この経験は、今の仕事でさまざまな人から話を聞いたり、物事を調整したりするのにも、役立っているように思います。
武豊町(町役場) 学校教育課 /社会福祉学部社会福祉学科地域福祉コース/2018年卒