私が在籍する医事企画担当は、患者さんと病院をつなぐパイプ役を担うとともに、医療従事者の方々が働きやすい環境づくりに取り組む部署です。患者さんと直接ふれあうことはありませんが、受付を通じて寄せられたご要望にお応えしたり、医師や看護師さんをサポートすることが結果的に患者さんの助けになることを実感し、それがやりがいにつながっています。救急当番医療機関として発生する業務や2年ごとに実施される診療報酬改定の準備など、仕事は幅広く、いずれも専門性が高いため、新しい知識の習得が欠かせません。今年から新人教育を任されていることもあり、1つひとつの業務が自身の成長を支えていると思うとモチベーションも上がります。
情報技術を広く学べる大学だったこともあって、基本的なパソコンスキルはほぼ習得して卒業しました。当部署では手術記録の進捗管理など、表を使って作成する書類が多いため、より効率的に利用できる表をつくろうと考えています。所属ゼミの佐藤浩樹先生は、病院勤務の経験を持つ医師だけに臨床系の授業は興味を持って学ぶことができました。在学中に取得した資格は、医療情報技師、診療情報管理士、メディカルクラークの3つ。2週間にわたる学外実習で病院業務を間近に見られたことは将来のイメージを膨らませるうえで役に立ちました。2023年8月から診療情報管理室の業務を兼務することになり、資格を取っておいてよかったと感じています。
進路を決める際は、1つに絞らず興味のある分野をいくつかピックアップしてみること。私の場合は、医療系のほかに、つくることが好きだったので製菓、クリエイティブ系の仕事も考え、そこから自分の気持ちを掘り下げていきました。製菓、クリエイティブ系が人を楽しませる仕事だとすれば、医療系は人を助ける仕事です。自分には後者の方が向いていると思ったこと、また、現場ではなく裏方の仕事が好きだったことがこの分野を選ぶ決め手になりました。医療の知識は自分や家族、友人など身近な人たちの役に立つと感じたことも理由の一つです。医療系の事務全般とあわせて、成長著しいIT分野も学べるところに惹かれ、北海道情報大学を志望しました。
NTT東日本札幌病院 医事企画 担当/医療情報学部 医療情報学科 医療情報専攻 卒/2020年3月 卒/オホーツク管内にある置戸町で育ち、大学進学をきっかけに札幌で暮らすことになった渡邊さん。新人研修で受付業務を経験し、患者さんから直接、「ありがとう」ということばをかけられ、そのときに患者さんとつながっていることを実感したそうです。「先輩の力を借りなければこなせない仕事もありますが、入職したころと比べると、仕事への理解も深まりました」。入職4年目を迎え、「自分は何のためにこの仕事をやっているのだろう。そんな疑問を持つことなく、患者さんのためにがんばろうと思えることがうれしいですね」と話してくれました。