現在は、パラスポーツの「車いすラグビー」でトレーナーなど医事委員会の活動をしており、トレーニングやコンディショニング、競技に向けた選手のケアや、連盟の医事活動の統括をしています。施術では、選手や患者さんに自分の手を通してプラスのエネルギーを循環させて浄化させる東洋医学のイメージを大切にしています。リハビリなど苦しい時期を共に乗り越えた選手の活躍は、チームの一員として涙が出るほど嬉しいです。
私自身、子どもの頃からスポーツをしていたのですが、自分や友達がケガをした時にケアをするのが好きでした。ある時、テレビでトレーナーの特集を見て、選手を支える人の魅力に気づき、トレーナーを志しました。その後、鍼灸マッサージの技術も併せ持ったトレーナーを目指して神奈川衛生学園に入学しました。
パラアスリートに対するケアは健常者とは少し異なり、一般的なアプローチが通用しないこともあります。オーダーメイドだからこそ、そこでの学びや気づきには価値がありますし、健常者へのトレーニングにも活きています。トレーナーにとって知識や技術は絶対的に必要。ただ、選手から信頼されることが何より重要です。対等に意見を言い合える関係を築くために、選手とのコミュニケーションや距離感を意識して、一人ひとりに対して勉強することを心がけています。現在は理学療法士やカイロプラクターなど、複数の医療従事者と活動する機会が多いので、さまざまな知識や考え方を吸収しながら、今後もスキルアップしていきたいです。
神奈川衛生学園専門学校の大きな魅力は、3年間で3つの医療系国家資格(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師)に加え、アスレティックトレーナーの資格を同時取得できること。学校での実技・演習の授業数が多く、知識と技術を身につけることができました。また、レジスタンストレーニング(筋トレ)のプログラム立案、導入、説明、指導方法なども学びました。
A-i-Z Care 代表 / 車いすラグビー 医事委員長/東洋医療総合学科/2008年卒/高等学校サッカー部 トレーナー、パラスポーツ「車いすラグビー」のトレーナーとして、選手のトレーニング指導やコンディショニングなどを行う岩倉さん。「選手が助けてほしいと思った時に、すぐそばにいて手を差し伸べられる存在であること。近すぎず遠すぎない距離感を大切にしています」と話す。良い時も苦しい時も選手を支え、感情を共にするからこそ、選手が活躍する姿を見ると自然と涙が出るという。「これは別の人生では味わえない、この仕事の大きなやり甲斐や醍醐味だと思います」と笑顔で話してくれた。