お客様にお礼を言っていただいたり、喜びの声をいただいたりするときにやりがいを感じます。以前、ご仏前に備えるお供えのお花をご購入いただいたことがあるのですが、故人さまの生前のご様子やご趣味などをしっかりと伺い、形にしました。その時に「故人を思い出すことができて励みになった」「悲しい気持ちから救われた」と言っていただき、本当にうれしかったのを覚えています。店の近くの演芸ホールで発表会が催されると、お孫さんにと花束をご用命戴くのですが、「孫が喜んでくれたわ」と、わざわざ帰りにお礼を言いに来てくださる方もいらしゃるんです。そういうお客さまとのやりとりが仕事をするうえの糧になっています。
最近はインターネットで検索して「この花をください」「この花言葉の花をください」というお客様が増えているのですが、実は春の花ということが少なくありません。そんな時に、「ちょっとわからない」ではなく、「これは春のお花だから今の時期には入らないんですよ」とお客様に納得していただけるような説明が必要になります。そんな時に何より役に立っているなと感じるのが、学校で学んだ、この時期にどんな花が出回るのかという「花の流通」の知識です。もちろん、充実した実習のおかげで、基本的なフラワーデザインも身に付けることができましたし、接客するのに必要になるビジネスマナーや言葉遣い、礼儀なども勉強させていただきました。
お花屋さんって、少し近寄りがたいイメージがあるんですよ。それが払拭できるように、将来は誰もが気軽に入れるお花屋さんを開きたいんです。本来花って見るのが目的だと思うんです。だから、ちゃんと扉を開けて店内に入るんだけど、買うだけでなくゆっくり花が見られるようなお店作りが夢です。年齢に関係なく、気軽に見られるようなフラットなお花屋さんがいいです。また音楽が趣味で、中学時代には金管、高校時代からはバンドでエレキベースを弾いていることもあり、音楽の演奏会や講演会が開けるようなみんなが集まれるスペースと花屋が合体できないかという思いがコロナ禍で深まりました。もう妄想ですね(笑)。
(株)ウェルサプライ・花だより/フラワーデザインコース/2014年3月卒/双子の姉と一緒に農業高校の園芸で草花を専攻。土いじりを経験した後、フラワーアレンジメントに興味をもち、やはり姉と一緒にテクノ・ホルティに入学。より花への興味が深まり、フラワーショップへ就職。現在が4店舗目。どの店舗もそれぞれ特色があり、お客様の傾向も異なることがおもしろく、やりがいを感じている。