私は理学療法士として、病院でのリハビリテーションに従事しています。主な対象は透析患者の方です。具体的には疾患や入院生活で寝たきりが続いたことから筋力が低下し、歩くことが難しくなった高齢者の方を担当するケースが多いですね。退院して自宅や施設に戻られる日までに、元通りの日常動作にどこまで近づけられるかを大きなやりがいと感じています。状態もお一人ずつ異なるなか、またお年寄りに過剰な負担とならない強度にも配慮しながらリハビリの効果をあげるには、臨機応変な工夫と対応が求められます。毎日が勉強ではありますが、そのぶん患者さんから感謝の言葉をいただく機会にも恵まれ「人の役に立てている」と実感できる仕事です。
ずっと野球をやっていて、高校2年生の時、肩を故障したことでリハビリが必要となり理学療法士さんのお世話になりました。特に記憶しているのは本当に親身になって寄り添ってくださったことと、肩のためのリハビリとして、下半身のストレッチをするよう指導されたこと。故障した箇所そのものではないのに…と思いつつも取り組んだ結果、しっかり肩の状態がよくなって「リハビリってすごい!」と驚きました。その後3年生になって進路を決める際「資格を取って、手に職をつけたい」「それなら医療関係に」と考えたところで、理学療法士も選択肢になるとあらためて気づき、以降は他の分野と迷うことなく、現在の道をめざして受験勉強に励みました。
徳島医療福祉専門学校は理学療法・作業療法の2学科で少人数なので、全員が国家試験合格という同じ目標に向かって、同じ熱量で頑張れるという魅力的な環境です。入学にあたり合格率の高さは頼もしかったですし、「3年制」であることもポイントでした。4年制の課程に比べると1年分少ない学費で、より早く社会で活躍することができますから。在学中の学びで印象に残っているのは、臨床を想定した実技演習の奥深さ、また臨床実習期間を終える度に、実習先で学んだことを自主的にみんなと教えあっていたことです。医療機関ごとに独自のノウハウもある多様なリハビリのアプローチを共有し、そこで得た「引き出し」の多さが今、仕事でも役立っています。
小松島金磯病院 勤務/理学療法学科 卒/2021年 卒/「理学療法士の数が増え、今後は質が求められる」と語る横岡さん。自らの資質を向上させるため、さまざまな勉強会に参加しアプローチの引き出しを増やしたり、日本理学療法士協会が推奨する「認定資格」取得に向けて勉強したりしているそう。横岡さんが日々心がけているのは「その人にとって、やりやすく、向いていて、一番効果的だと思える」リハビリを検討すること。退院しても、患者さんの生活は続いていく。だから「自宅や施設に戻った後に、ご自身の力で(または家族の支えで)生活できるよう、退院時の状態のイメージをしっかり持ってリハビリに向きあっています」と話してくれました。