近年取り組んでいる研究は「大気のデジタル画像解析」。みなさんが持っているスマホやデジカメで撮影した画像データの中には、実は非常に多くの大気に関する情報がつまっています。人の目では確認できない微妙な光の変化や空の変化を画像解析して加工することで、隠れていた情報が浮かび上がります。現在は大気に浮遊する物質を可視化するアプリも開発中。開発が進めば、近い将来、スマホを空にかざしてPM2.5や花粉、火山灰の量をチェックするなんてことも出来るようになるかもしれません。誰もが使える身近なツールで大気を解析できれば、世界中で起きている大気汚染の問題を自分の目の前の問題として考えるきっかけとなるはずです。ゼミでは、こういった新しい技術が私たちの生活にどのように関わってくるかを学生とともに考えていきます。
「情報文化演習・実習」の授業のなかで行われるコンピュータの組み立て実習。コンピュータをパーツの状態から組み立て、OSをインストールし、実際に作動させるまでを行います。普段は中身をあけて見ることのないコンピュータですが、実際に目で見てパーツを触って確かめることで、「CPUってこんな形をしていたんだ」「マザーボードには沢山のケーブルをつなぐんだな」等と、より確かなイメージを持てるように。組み立ての過程も撮影しレポートにまとめることで、理論と実践が結びつき、その後の学びにもいい影響を与えてくれます。
情報を学ぶということは、コンピュータを使いこなすだけではなく、自分と向き合い、人と人とのつながりを大切にすることでもあるのです。大学での学びを通して、人とのつながり、将来を生きる力を育んでください!
専門分野:情報科学・計算科学
筑波大学 第一学群自然学類 卒業 学士(理学)
筑波大学大学院 化学研究科 博士課程修了 博士(理学)
2001年より株式会社富士総合研究所の研究員として勤務。コンピュータを用いた各種シミュレーションソフトウェアの開発などを手掛ける。その後いくつかの職場を経て、2009年より現職。近年の研究テーマはデジタル画像解析を用いた大気・海中の観測、サイエンスセミナーの実施と教材の開発など。