インドネシアで診断放射線科医として働いていた当時、アルツハイマー病やパーキンソン病などの患者さんのMRI画像を数多く診てきました。しかしこうした疾患は症状が出てからでは緩和治療が基本となり、完治はできないという現実も。早期診断の重要性を痛感したことで、新たな診断手法を見つけ出す研究者になる道を選びました。現在の主な研究テーマは、先端のMRI技術を駆使して脳の微細な構造とネットワークの変化を解明することです。これまでの研究によって、脳神経疾患の症状が出る20年以上も前から、脳の神経には変化が起きていることがわかってきました。目に見えない神経の変化を、データサイエンスとイメージングの技術によって可視化できれば、より早期の診断・治療につなげることができ、新しい治療の道も拓かれると考えています。
「医学概論」と「人体の構造と機能」の授業で指導にあたっているクリスティーナ先生。講義資料は日本語と英語で作成しており、学生が両言語における医学用語に馴染むことを目的としています。将来的に学生が英語の論文をスムーズに読解し、国際会議に参画できるレベルの能力を身につけられるよう、普段の講義から医学用語や英語に触れる機会を増やしているという先生。「この学部には留学生も多く在籍しています。英語によるコミュニケーションやプレゼンスキルも身につけられるよう支援していきたいと思っています」
私は研究者としては未経験の状態で来日しましたが、順天堂大学での研究活動によって多くの論文を発表し、学会で受賞できるまでになりました。みなさんにもできます。ともに挑戦しましょう!
専門分野:放射線科、脳学
経歴:アトマ・ジャヤ大学医学部卒業。医師。パジャジャラン大学医学部放射線診断学講座修了。放射線科医。
順天堂大学大学院医学研究科放射線診断学博士課程修了。博士(医学)。
日本学術振興会外国人特別研究員を経て、2022年より順天堂大学健康データサイエンス学部/医学部放射線診断学講座助教。