「パンデミック時にマスクの高額転売が行われた」というニュースが記憶に新しいですが、商品を販売する際には需要と供給が最適なバランスになるように「価格」で調整されていますよね。でも「価格」で調整できないケースもあります。例えば「結婚の相手選び」や「学校選び」はどうでしょう。相性や好み、成績など様々な資源が複雑に絡みあい調整は難しそうです。私の研究は、そのような資源をいかに配分するかを考え、最適な答えを導き出す数学的理論『マッチング理論』を用いて「アジアの国々の学校入試制度を分析すること」です。現行制度を分析し現状よりも望ましい制度を設計することで、公平で適材適所のマッチングを導き出していきます。ゆくゆくはこの研究がアジアの国々の教育政策や学校入試制度等に幅広く役立てられることをめざしています。
経済学と聞くとお金の学問と思われがちだが、現代の経済学はマッチング理論のように、お金では解決できない問題にも切り込んでいる。例えば授業では「エスカレータの並び方は関東と関西でなぜ違う?」「なぜ人は行列に並ぶのか?」など生活に密着した具体例と、スライドを用いた図表、わかりやすい説明の3方向からゲーム理論の概念であるナッシュ均衡を理解したうえで、他の事例をみんなで考えていくなど、学生参加型の授業を展開。経済学の知識が日々の生活に役立てられることを実感し、未来に応用していける感覚を養っていく。
「資源の最適配分」「機会費用」など経済学の考え方や数字の読み解き方を学ぶと、様々な側面から物事を見ることができるようになります。ニュースの数字を見ただけでピン!と来ることも増えて世界が広がりますよ。
専門:ミクロ経済学、ゲーム理論、マッチング理論
中国重慶市出身。
2015年小樽商科大学商学部卒業。2022年大阪大学経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。
2022年4月~2023年3月大阪大学招へい研究員。2023年4月より現職。
政治・経済にわたり様々なトピックを扱う政治経済学部。世間の注目が高まっていることもあり学生から株や為替の質問も多いとのこと。
少人数制ならではの丁寧な指導を行っている。