大学では経済学を専攻していたのですが、子どもの頃からの本好きが高じて文学を学び直し、その後、教育と芸術、2つの軸がある児童文学の面白さに魅せられて児童文学研究の道へ。そうするうちに子どもそのものや子どもをとりまく文化へと興味の範囲が広がり、今に至っています。保育者や教育者はどうしても子どもを支援の対象として考えがちです。しかしその「保育者縛り」を取り払って、一緒に関わっていく存在として子どもを考えることで、子どもに対する理解が深まることもあります。その理解の出発点が「遊び」だと私は考えます。伝統的な遊びの知識や経験を増やす。子どもの頃を思い出しながらさまざまな遊びを経験し、「子どもはなぜ、これが好きなんだろう」と考える。そうした体験はきっといつか、保育や教育に生きてくると思います。
児童文化の授業ではこま回しやあやとり、折紙などの伝統的遊びや、共遊玩具と呼ばれる障害のある子どももない子どもも一緒に楽しめるおもちゃなどでの遊びを実際に体験します。そして、例えばこま回しで遊んだ後に「うまくできなかった時に、友だちがコツを教えてくれて嬉しかった」などの感想が出たら、「あなたが保育者になった時、子どもに同じことができるといいね」など、保育者の視点で体験を見直すように導きます。佐々木先生が授業で一番大切にしているのは「楽しむ」こと。先生も学生も楽しめる授業を目指します。
幼児教育・保育は、対人職の中でも最難関と言えるほど難しい仕事です。でも、子どもの「初めて」にたくさん立ち会える楽しく、やりがいのある仕事でもあります。人と関わることが好きな人にはたまらないですよ!
研究テーマ/明治・大正期における「童話」の誕生と変容、日本児童文学の黎明期において児童読み物がどのように生まれ受容され移り変わってきたのかを探究
経歴/白百合女子大学大学院博士課程単位取得満期退学(文学、児童学)、日本女子大学附属高等学校国語科非常勤教諭、白百合女子大学非常勤講師、聖徳大学幼児教育専門学校専任講師などを経て、現職