実際の運動を行わず、ある運動を想起する「運動イメージ」。スポーツの世界でパフォーマンスの向上に有効的だといわれているのですが、実はリハビリテーションにも応用できるといわれています。具体的には、手足が動かない、ギプスで運動が制限されているという方に対し、その箇所が動くイメージをしてもらう。それにより、頭の中で実際に動いているときと類似した活動が得られ、いざギプスを外したときに機能回復が早いといわれています。そのためには理学療法士の的確な指示も欠かせませんし、活用場面はまだまだ未知数であり、分かっていないことも多いのも事実です。しかしリハビリの現場において、「運動イメージ」が一つの治療法として応用できるよう、その根拠を積み重ねている真っ最中です。
1年生の「運動学」等の授業を担当する東藤先生。いずれも座学のため、ともすれば単調になりがちだが、授業に向かう学生たちの姿勢はとても意欲的だ。「入学してすぐに専門的な授業になるため、戸惑いもあるかと思います。そのため、少しの実技やグループワークなどを取り入れ、適度な難易度になるよう工夫して進めていきます」と話す。そこには「人間は、多くの感覚を使うことで記憶に残る」という、体の仕組みを熟知している先生ならではの裏付けもある。「授業の中でも人間の体の動きのからくりを楽しんで学んで欲しいですね」。
理学療法士は筋肉や内部組織に関する専門家であり、医師の右腕になって「治す」ことに向き合える仕事です。「人のために働きたい」と考える方なら、直接人の役に立てるやりがいを得られるのではないでしょうか。
専門:理学療法、運動イメージによる運動学習、誘発筋電図/関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科を経て関西医療大学大学院 保健医療学研究科を卒業。2018年、同大学保健医療学部理学療法学科入職、助教授に。現在は1年生の担任と、「動作分析学」「日常生活活動学」「評価学総論」の授業を担当。2019年には金沢大学医薬保健研究科博士後期課程に入学し、さらなる研究を続けている。