トリマーはやりがいのある仕事です。技術はもちろん大事ですけど、お客様は「人」につくものだと思っています。頼られるようになったり、感謝されたり、そういう特別な人になれる瞬間がうれしいです。学生の中には犬が好きで入ってきたはずなのに、挫けてしまう子もいます。毎回同じ犬種じゃないから、昨日までは上手くできていたのに、今日の犬だと上手くいかないとか。だけど、最初はできなくて当たり前なんです。私たち教員も納得のいくまで丁寧に指導しますし、お友達みたいな距離感で、なんでも相談できる関係を築けるように努めています。時には恋愛相談も受けますよ。だから辛いな、厳しいなと思っても逃げずに、何か一つでもいいからやり遂げられる自分を持ってほしい。それを乗り越えた先にトリマーとしてのやりがいに出会えます。
トリミングは犬をおとなしくさせるところから始まる。庄子先生は犬のあごにそっと手を添えると、絶妙な力加減で犬をコントロールする。学生たちも同じようにやろうとするが、中には暴れだす犬も。「通常、テーブルと犬をつなぐアームを使いますが、本校ではほとんど使用しません。やっぱり犬を扱う感覚を体で覚えてほしいですから」と庄子先生。東北愛犬専門学校の学生が実習で扱う犬は、地域の飼い主から預かっている100頭以上のペットたち。それだけに集中力と緊張感を持って犬たちと向き合い、犬を扱う感覚を日々養っていく。
入学がゴールではないし、卒業がゴールでもない。社会に出て、トリマーとして働きはじめたときがスタート!厳しくて辛いなと思うことがあっても、最初の気持ちをしっかり持ち続けて立ち向かってください。
専門/トリミング
東京生まれ、宮城県塩釜市育ち。2児のママ。自営業をしていた父の背中をみているうちに、手に職を付けようと志しトリマーの道へ。東北愛犬専門学院を卒業後、数年間をペットショップのトリマーとして過ごす。結婚を期に同校の非常勤講師に。現在は教員として感覚を大事にしたトリミングの技術を教えながら、学生たちの相談にも乗るお姉さん的存在でもある。