ロボットが人間の行動を学習し、人間もロボットの行動から学習する、という人間と機械が互いに進化していく「共生的な行動・発達」の方法論を研究しています。例えば、ロボットがリハビリ患者さんを誘導する時、患者さんの回復に合った誘導方法をロボットが学習し進化させていく必要があります。一方で患者さんも、ロボットの誘導に励まされて頑張ろうとする力や思いが育まれていくような関係です。人間がロボットのアームを握ると体温や血圧が測れたり、ロボットに話しかけられて癒されたり、夜間の薄暗い空間でも検知してくれたりと、体を持つロボットだからこそ、人間が行う業務をサポートし様々な役割を担うことができます。既に現場のニーズに即した機能を搭載したロボット達が、医療や介護、福祉などの現場でスタッフの一員として活躍しています。
三枝准教授の人間機械共生研究室では、実際にロボットを介護施設や病院等に持ちこみ実験研究を実施。新たなニーズを探っている。例えば認知症患者に対し、ロボットが追いかけて患者のつぶやきや運動を計測し、スタッフへ映像や音声情報を転送する。その音声を分析し傾向を推定して、患者が抱いている孤立感や不安感をロボットが受け止めるという。「ロボットの意思や行動に対して人間がどの様に受け止め行動するのか、興味は尽きないですね。これらの経験により、学生も自ら課題を発見し解決する力を習得できるようになると思います」
未来へ向け、私たちはどんな課題に取り組むべきなのか?それにはどんなロボットが必要なのか?自由な発想で、次世代のロボットを創造してみてください!どんなロボットが飛び出してくるのか楽しみにしています。
研究テーマ/介護医療支援ロボット、リハビリ支援インタフェース、人工知能・認知発達システム、マルチメディア・感性情報処理
略歴/早稲田大学大学院博士課程を修了後、早稲田大学助手、Istituto Italiano di Technologia研究員、豊橋技術科学大学特任准教授を歴任し、2018年より神奈川工科大学准教授。豊橋技術科学大学特命准教授、厚生労働省介護ロボット事業PC、早稲田大学客員研究員を兼任。博士(工学)。