天然物中の有効成分からの医薬品の開発を目指して
物質応用化学科 教授 松田 弘幸
植物などの天然物中には、人間の健康の維持と増進を図るうえで有効な成分が含まれており、これらは機能性食品のみならず医薬品の開発において極めて重要な素材です。一例として、カレーのスパイスであるターメリックの黄色色素であるクルクミンには、がん抑制作用がある物質として注目を浴びています。しかし、これらの成分の化学構造は複雑であることから、分子そのままでは体内に吸収されず、その効能が発現されません。そこで私たちは、天然物に含まれる有効成分からの医薬品の開発を目的として、効率よく体内に吸収される分子の創製を行っています、具体的には、有効成分の水への溶解度(水への溶けやすさ)に着目し、有効成分の分子にシクロデキストリン(穴の空いたバケツのような形の分子です)という物質を包接させることにより、水への溶解度を向上、すなわち体内に吸収されやすくする取り組みを行っています。
<メッセージ>
医薬品の開発は、薬学のみならず、「化学の力」を使ってアプローチすることができます。新しい医薬品の研究に取り組みたい人、私たちの研究室に加わってみませんか。
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医薬品の開発は、薬学のみならず、「化学の力」を使ってアプローチすることができます。新しい医薬品の研究に取り組みたい人、私たちの研究室に加わってみませんか。