大学病院で臨床検査技師として働いています。臨床検査技師には、血液や尿などの検体を取り扱う「検体検査」、心電図や呼吸機能、肺機能や脳波などを測定する「生理機能検査」などの幅広い検査業務がありますが、現在メインで担当しているのは、検体検査の中でも「微生物検査」。患者さんから採取された血液や尿、喀痰などを顕微鏡で観察して、病原菌を見つけ出すという重要な役割を担っています。例えば肺炎が疑われる場合は、喀痰を培地に塗り付けて、生えてくる細菌が何かを見極め、時にはその細菌に対してどのような薬が効くのかを分析することもあります。医療の一翼を担う臨床検査技師という仕事に、やりがいを感じています!
特に心に残っているのは「検体が患者さんの命に直結するという意識を持ちなさい」という先生の言葉。授業だけでは意識しにくかったですが、その緊張感は大学病院での臨地実習で感じました。特に新渡戸の場合、5か月間をかけて医療現場をじっくり経験できたので、学内では得られない知識や技術も身につきました。また国家試験に向けては、同級生と協力しあっていました。当時は元素名などを覚えるために「ゴロ」をよく使いましたね。例えば必須アミノ酸は「ふとめのロバスリーイー」(笑)。「フ」がフェニルアラニン、「ト」がトリプトファンなど頭文字で覚えていくんですが、他にも友達が独自のゴロを作ってくれたり。今もいい思い出です。
臨床検査技師が手掛ける分野はとにかく幅広いです。最新の分析機器を使って、検体内の蛋白、脂質、酵素、電解質などを測定する生化学・免疫検査から、採取された臓器、組織、細胞などを顕微鏡等で分析する病理検査、心電図や超音波検査などの生理機能検査、さらには睡眠時無呼吸症候群の検査、生殖医療など多岐にわたります。卒業後の勤務先も、病院はもちろんクリニック、医療機器メーカーなどの一般企業、フリーランスまで様々。まずは自分なりの働き方を考えてみてください。また、座学で身につける臨床検査の基礎はとても大切です。臨地実習も基礎知識を身につけていることを前提に行われますので、事前の勉強にも力を入れてください。
自治医科大学附属病院 臨床検査部/臨床検査学科/2018年卒/「家族の付き添いで病院に行くうちに医療の分野に興味を持つようになりました」と和田さん。臨床検査技師という仕事には高校の進路選びで出会ったという。「新渡戸を選んだポイントは国家試験合格率。3年制の凝縮した学びで知識を深めて即戦力を目指せる点や、名高い先生のもとで勉強できる点も大きかった」と振り返る。現在は学士取得のため放送大学で学んでいる和田さん。「この先は大学院での修士などにもチャレンジしていきたいと考えています。その辺のことも卒業してから新渡戸の先生に相談しました。連絡すれば応えてくれるので本当にありがたい存在です」と笑顔で話してくれた。