ホテルの鉄板焼きレストランで、仕込みや料理の調理を担当しています。最近では、お肉や魚、締めのガーリックライスをお客様の前で焼かせていただいています。対面しているお客様の表情などを見ながら、「お味はいかがですか?」「焼き加減はいかがですか?」とお聞きするなど、接客も大切にしています。仕事のやりがいは、お客様の笑顔とおいしいの一言。以前、女性2名とお子様のランチを担当した時、お子様がソースをなめたそうにしているのが表情からわかり、普段は出さないスプーンをお付けしたことがありました。とても喜んでくださり、笑顔で食事をしてくださったのがうれしく、気配りの大切さも感じました。
母が料理上手で、保育園の頃から手伝っていました。親が共働きだったので小学生のころから、本格的に一人で作っていました。最初は食べてもらえれば大丈夫という感じでしたが、だんだん味にこだわりだし、盛り付けにこだわりだし、興味が広がっていきました。失敗をすると理由を知りたいと思うようになり、ますます料理に夢中になっていきました。中学のときには料理の専門学校に進もうと決め、高校の職場体験で辻学園に行ったこともありました。辻学園は先生と生徒の距離が近すぎず遠すぎず、なんでも気軽に相談できる親子のような関係。この距離感が好きで、入学を決めました。
学内のサロンを店舗にして食券を買っていただき、お食事を提供するレストラン実習がありました。本来は先生がメニューや仕込みを決めるのですが、「なるべく生徒に取り組ませてあげたい」という先生の考えで、すべて生徒だけで考えて作らせていただきました。メニューは、カツレツ・焼きチーズのリゾットのバルサミコソースがけ・ミネストローネ。アンケートの結果、レストラン実習史上、最高得点をいただきました。また、一度に60~70人分の食材を扱うなど、それまでにしたことのない貴重な経験も。レストラン実習のおかげで現場での作業の動きがわかるようになり、今とても役立っています。
帝国ホテル大阪 勤務/上級調理師科/2016年3月卒/もともとホテルへの就職を希望していた山下さん。その理由を「最初に働くところは厳しいところがいいと思いました。妥協してしまうクセがついては成長できないと思ったので」と話します。いつかは本場のフランスで修行し、野菜がメインのフランス料理店を持つのが夢だそうです。