私が担当する「集団調理実習」では、ひと班6、7人を基本に専用実習室を使って約80~100食を作ります。栄養計算に基づく献立作成から、徹底した衛生管理のもとで行う調理まで、集団調理の一連の流れを実践的に学びます。作ったメニューは織田学園の先生や職員、学生の皆さんに提供し、食後にはアンケートを実施して「彩り」「味」「量」「盛り付け」の各評価とコメントをもらいます。アンケートの回答では「味」ひとつをとっても、濃いという人もいれば、薄いという人もいて、全員からちょうどいいという評価をもらったことは、いまだどの班もありません。100人中100人に美味しいと満足してもらうことが、実はどれほど難しいことなのか。この実習を通じて学生たちには、技術力の向上とともにそんな気づきも得てほしいと思っています。
一度に米14キロを炊ける炊飯器や2リットルをすくえるレードルなど…。「集団調理実習」は、そんなサイズ感やボリューム感にまず驚く学生も多い。この実習で、狐塚先生が特に重視するのはメンバー同士のコミュニケーションだという。「普段の実習班よりも多い人数で作業する分、『熱いものを持って通るから気を付けてね』といった声掛けがより重要になります」。学生たちはそれぞれの作業に打ち込みながらも、実習はにぎやかな雰囲気そのもの。「大量のにんじんを切ったり、大きな鍋で炒めたり、皆こうした作業を楽しんでいるようですね」
早くも高校生の時点で「調理師になりたい!」というビジョンを持ち、実現のために調理師専門学校への進学を考えていること自体が、とても素晴らしいことです。皆さんの夢に向かって、私たちと一緒に頑張りましょう!
織田栄養専門学校卒業。株式会社レオックに入社後、病院で病院食の調理に携わる。織田栄養専門学校の助手を経て現職。