長く日本料理に携わってきた私は、繊細な技術を継承するべく指導に取り組んでいます。入学後、まず教えるのは包丁の研ぎ方。初めて触る学生も多く、安全重視で教えます。次に「銀杏(いちょう)切り」「さいの目切り」など多様な切り方を指導。包丁が手になじんだ頃、出汁の取り方、鍋炊きご飯の炊き方へと続きます。こうして基礎を身につけながら旬の食材を使った調理へとつなげていくのです。そんな中、練習量が技術力を底上げするという理念から生まれた本校の特長の一つである「毎日つくる実習」はDAICHOならではの強み。卒業後、どのような現場でも即戦力になると評価されています。指導の際、切る・煮る・焼く・蒸す・揚げる技術だけでなく、現場でどのように活かされるかまで教えていることも役立っていると自負しています。
「毎日つくる実習」で基礎技術を積み上げる。100食以上の料理を一度に作る「大量調理」でチームワークを磨く。他校では経験できない練習量で身につけたスキルを本番で生かすための実践実習が「レストラントレーニング」です。初回は保護者をゲストに招き、2回目は一般の方をお迎えします。校舎内の本格的なレストランを舞台に、お客様の目の前で作り、目の前で反応を見る。特に一般の方からは料金をいただくだけに「おいしかった!」「また来たい!」の声を聞くと感激し、モチベーションが一気に高まります。
旬の食材を使っても、調理が上手くなければおいしい料理はできません。しかし確かな技術で調理すれば、通常の何倍もおいしい料理ができあがります。食を通じてゲストを幸せにする調理師、素敵だと思いませんか?
専門分野:日本料理
大阪調理専門学校(現:大阪調理製菓専門学校)で和洋中製菓を総合的に学び、日本料理を専攻した松本先生。卒業後は「よし川(名古屋)」「すし慶(滋賀・木之本)」で調理師を、「御所坊(有馬温泉)」では系列店舗「花小宿」にて料理長を務める。ある時、高齢のお客様向けに工夫した料理が喜ばれ、食べやすい食事を追求するように。高齢者福祉施設、病院勤務を経て、次世代育成のために教員となる。