
展示加工や設営の仕事の傍ら、作家活動もしています
写真やグラフィックの額装、展覧会の展示・撤去作業などを行うフレームマンという会社に勤めています。社内で主にフォトアクリル加工を担当。展覧会会場では設営に携わっています。3mという大きさの写真を裏打ち加工することもあり、オリジナルを半分にして1枚につなげますが、継ぎ目がわからないように仕上げるのは大変です。作品により加工は異なり、展示手法も多様化しているため、作家の要望を汲み取って現場で対応します。難しい設営はかなり緊張するだけに、私たちの技術でできることを実現できたときはとても嬉しいです。私は作家活動と両立しているため、いろいろな作家の表現を間近で見られることにも多くの刺激を受けています。
日本写真芸術専門学校の写真科3年制フォトフィールドワークゼミの「卒業写真展」は、都内有数のギャラリーで開催しました。当時、そのギャラリーの展示業務はフレームマンが請け負っており、学生作品の設営を素早く行っている様子を見て、こういった専門的な仕事があることを初めて知りました。卒業後は作家活動と生活を両立させるため、同校の助手として就職。助手を務めながら、作品制作に打ち込みました。3年間の助手の任期満了時に、フレームマンの求人情報が目に留まり、「卒業写真展」での職人のような仕事ぶりを思い出して応募。熟練した技を持つ先輩たちに憧れを抱き、現在に至っています。

展示加工のアイデアがいろいろ湧くようになりました
一番印象に残っているのは、アジア11か国を180日間巡った「海外フィールドワーク」です。学生がテーマに沿って単独で撮影する海外研修で、宿泊先の手配も学生自ら行います。私のテーマは廃墟で、独りで廃墟に入る怖さ、良い作品を作りたいという思いと葛藤しながら撮影に臨みました。実際、理想どおりの作品は簡単に撮れるものでなく、滞在中に心が折れたときも…。しかし、他国の文化に触れる日々を通して、真に興味のあることや心が動く瞬間を知ることができました。世界を見ることは自分の内面を知ることにつながると実感しました。フォトフィールドワークゼミで学び、あの海外研修を経験したからこそ、今の自分があると思っています。

東南アジアで撮影した作品

株式会社フレームマン 制作部 勤務/写真科3年制フォトフィールドワークゼミ 卒/2017年卒/1995年埼玉県生まれ。2021年恵比寿にてメンバー9名と共に自主ギャラリーKoma galleryをオープン。Koma galleryを拠点に年に3回ほど作品を発表。主な展示に2024年「Brother Nostalgia」Space Ant(韓国、ソウル)、2025年「狸のいる風景」Sony Imaging Galleryなど。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。


