出産の喜びの瞬間に立ち会う!「助産師」になるために

生命の誕生という神秘的な瞬間に立ち会う「助産師」のお仕事。

 

「助産師」というと出産をサポートするイメージがあるが、それだけではない。妊娠から出産のサポート、産後のケア、精神面でのケアまで仕事内容は多岐にわたる。「女性の一生」に大きくかかわる職業だ。

 

「同じ女性としてサポートしたい」。山本佐枝子さんも助産師の魅力にひかれ資格を取得した一人だ。

 

赤ちゃんが生まれた瞬間の喜び、お母さんの笑顔、赤ちゃんが無事に生まれてほしいと思う強い思い、そして産後ママの心のケア。女性の強力な味方である「助産師」について、山本さんに話をうかがった。

 
 

女性のライフサイクルすべてにかかわる仕事

 

「助産師」とは、出産を控えた妊娠中の女性を助ける職業。しかし、一言で「助ける」といっても仕事の内容は幅広い。赤ちゃんの誕生をサポートするだけでなく、妊婦やおなかの赤ちゃんの健康状態を管理する「妊婦健診」や妊娠中に取りたい栄養分などの生活指導、出産の流れを学ぶ「両親学級」の開催は全仕事のごく一部。

 

そのほかにも産後ママのケアや赤ちゃんの1カ月検診、出産に関する知識を普及させることも重要な任務だ。女性の人生そのものを総合的にサポートする仕事といっても過言ではない。

 

出産の喜びの瞬間に立ち会う!「助産師」になるために

 

職場は、産科をもつ病院や診療所、助産院、市町村の保健センターなどさまざま。山本さんが勤務していた「周産期母子医療センター」では、通常受診している妊婦だけでなく、ハイリスクを伴う妊婦や母体に危険がある緊急事態の妊婦を受け入れている。「お母さん、赤ちゃんが無事であるために全力でサポートすること」が求められる。

 
 

奇跡の瞬間に立ち会える喜び

 

だからこそ、出産の痛みを乗り越え、赤ちゃんが元気な産声をあげたとき、「ホッとすると同時にやりがいを感じる」という。「産婦さんに『ありがとう』と言われたときがうれしい」。

 

お母さんのとっておきの笑顔、感動で涙する姿、ほっとした表情を見せるお父さん、その姿を見守る病院関係者。平和であたたかな雰囲気に包まれる瞬間は、奇跡の瞬間でもある。そんな感動的な場面に立ち会えることが助産師の魅力だという。

 

それでは助産師として求められる人材とは? 「自分を見つめることができる人」であると山本さんは考えている。出産に関する一連の流れを振り返り、良かった点だけでなく、次のお産で役立てることができる点を見つめる。

 

出産したお母さんから話を聴き、自分の対応はどうだったのかを振り返る。そして、そこから得た経験を次に生かす。出産に対する女性の考え方はさまざま。少しでも妊婦が望む理想的なお産に近づけるよう努力することが求められる。

 

出産の喜びの瞬間に立ち会う!「助産師」になるために

 

いつ始まるか分からない出産のサポートは、体力勝負な面もあるが、生命の誕生に立ち会う仕事の充実感は計り知れないものがある。

 

「出産して良かったと思ってもらえたら、子育てでつらい時も乗り越えられるのではないか」と産後もその先も考える山本さんのような「助産師」は、社会にとって必要不可欠な存在だ。

 

出産の喜びの瞬間に立ち会う!「助産師」になるために

 
 

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