「おいしい」を自在に表現!世界を舞台にする調理師のお仕事
「自分の腕と技術で勝負できる仕事に就きたい」。
和食創作料亭で料理長を務める金野伸也さん(27歳)は、進路で悩んでいた高校時代、「衣、食、住に関係する仕事に就きなさい」と担任の先生からアドバイスを受けたときに、「食なら自分に合っている」と思い調理師になることを決めた。
一見、華やかに見える調理師の世界。しかし、現実は厳しく、つらい修業の毎日が続いたという。和食ブームで世界中から注目を集める「調理師」の世界を少しだけのぞいてみよう。
国家試験に合格したあとは厳しい下積み生活へ
「家が共働きで、小さいころから自分でご飯を作っていました。だから、料理を作ることは自分にとって自然なことだった」という金野さん。高校卒業後、選んだ道は地元でも有数の調理師専門学校だった。
和食・洋食・中華と一通り技術を学ぶ中で「日本人だから和食を極めたい」と和食の世界に。難しい包丁さばきに悪戦苦闘したが、学校が終わったあとも自宅で練習を重ねた。その成果もあり、卒業後に国家試験に合格。晴れて調理師になったが、待っていたのは厳しい下積み生活だった。

和食の世界のスタートは「追い回し(小僧)」と呼ばれる雑用から始まる。食材に触ることすら許されない毎日。途中でやめていく人もいたという。しかし、金野さんはつらい追い回しの日々の中で仕事のやりがいを見出した。
自分の腕で味を自在に表現できるという調理師の魅力
そして、ゴム長靴からコックだけが履ける「コックシューズ」へ。初めて食材に触らせてもらったときの感動は今でも忘れられないという。ある日突然、先輩が「お前、頑張っているな。この鯛、さばいていいぞ」と客に出さない鯛を差し出した。
将来は独立して、「和食の創作料理のお店を出したい」と意欲を燃やす。金野さんが考える調理師の魅力とは何だろうか。

調理師の免許がなくても「料理人」として厨房に立つことはできる。しかし、金野さんは「食品の衛生面などの知識をもち、安全な料理を作ることができる調理のプロ」である調理師にこだわる。
世界が舞台になる、そんな夢のステージが調理師にはある。

もっと知りたい人はコチラ→
◆「腕」だけでなく美的センスや経営センスも必要【調理師】
◆料理人のトップにたって、厨房をしきる最高責任者【シェフ】
◆栄養と食についてさまざまな角度から研究する【栄養・食物学】