専門学校を中退してしまう理由は?後悔しないための学校の選び方
就きたい職業への選択肢として、専門学校に進学することを決めた!という人がこれからしなくてはならないのは、どの専門学校に進学するのか決めること、または希望している専門学校で本当に大丈夫なのかをじっくり検討すること。
美容、医療、ビジネス、観光、保育など進みたい分野は決めていても、該当する専門学校がたくさんありすぎて、どう選ぶべきか決められない人も多いのではないのだろうか。
専門学校の学びは高校の学びとはガラリと変わる。
多くはたった2年間で、社会人として即戦力となる力を身につけることを求められるからだ。
専門分野に特化した授業や、国家資格取得のための授業、実技実習、さらには臨床自習など、多くの専門学校の生活はかなりハード。
専門学校を中退する理由で最も多いのが「ミスマッチから来る学業不振」。
イメージとして、専門学校は大学に比べて学習が難しくないと思われがちだが、専門学校は「プロ」を養成するための学習。
強い意志を持って臨まないと、「こんなはずじゃなかった!」と入学後に驚く可能性もある。
そんな事態に陥らないために、どのように専門学校を選べばいいのか。
東京都立昭和高校進路部の先生で、専門学校への進学について詳しい、西村和美先生にチェックポイントを教えてもらった。
入学後に「辞めたい…」と不安にならないようにするのはもちろん、入試対策のためにもしっかり最終チェックをしておこう!
チェックポイント1 分野について
原則として一日中専門分野のことばかりとなるので、興味があることが大前提!
また、短期間で資格取得を目指す学科は特に、勉強もハード。
本当に強い意志でその職業に就きたいという希望があるのかどうかを再確認しよう。
チェックポイント2 授業内容について
ミスマッチや学業不振で中退してしまったら…と不安にならないように、授業内容や学習のサポート体制など自分の希望とレベルに合っているか、事前に確認しておこう。
学校によっては補習などのサポートが充実していたり、放課後にも設備を開放して自習できる環境が整っていたりするので、先輩たちがどうやって学んでいるか、具体的に聞いてみるのがオススメ。
<具体的なチェックポイント>
他校に比べて何が違うかをよく見てみよう。
・1週間の時間割例を見せてもらい、密度はどのくらいかをチェック。
基本的には、密度が濃く十分に授業を行っている専門学校のほうが充実度は高い。
・少人数制や担任制度があるか。
実習が多い場合や、学習・就職のサポートを期待している場合は特に、あったほうがオススメ。
・課題の内容や量は十分か。わからないところのフォローはあるか。
・放課後の補習・復習のサポート体制。
自習などで教室や設備を使わせてもらえるか、学校は何時まで残ってよいか聞いてみよう。
・実習やインターンシップなどの状況。
どのような実習先が確保されているか。もしくは誰が実習先を探すのか。
・先生方の様子。有名講師はいるか(その授業数も重要!)。
チェックポイント3 就職・資格取得について
専門学校は、基本的に就職へのサポート体制が整っている。
専門性をもってすぐ働けるよう学んだり、資格を取得したりすることが大きな目標となっているからだ。
その学校へ進学することがどのように将来の夢・職種につながるかを、しっかりイメージしておこう。
<具体的なチェックポイント>
・国家試験取得を目標としている場合はその合格率。
また、不合格だった場合のサポート体制の内容。
・コンクール等の参加実績と出場指導体制。
・求人状況、就職実績、就職支援体制の特徴。
気になる就職実績については、身につけた専門性を生かせる職種についているかが大きなポイント。
業界でのその学校の評判や卒業後のサポートはあるかも聞いてみよう。
また、気になる人は雇用形態の確認も忘れずに。
・大学等との単位互換制度や、上級課程への進級・編入の有無。
大学編入などを希望している人は、その実態を確認しよう。
チェックポイント4 設備について
学校ごとに特色があるので、学びやすい環境が整っているか、実際に見学会や体験会に足を運んで見比べてみよう。
実習が多い分野については、機材などが十分な数準備されているか、特に注意して見てみて。
<具体的なチェックポイント>
・学習機材などは学生の数に対して十分に用意されているか。
チェックポイント5 生活について
授業で学ぶ内容だけでなく、学生生活全般を通じて、誰とどのように学ぶかももちろん重要。
オープンキャンパスや見学会で、先輩や学校の雰囲気を感じてみよう。
アルバイトやサークルもしたいという方は、通学時間や授業時間に余裕があるか確かめておくといい。
<具体的なチェックポイント>
距離が近いというだけで学校を選ぶべきではない一方、忙しい生活になった場合は、あまり遠いのも考えもの。
アルバイトを希望する人は、どこでアルバイトするのか、家と学校とアルバイト先の行き方も考えておこう。
・学校周辺の様子。
・在校生の様子。
男女比や、現役:社会人比率なども見てみると、よりイメージがつくかも。
・中退者がどのくらいいるか。その理由。
・校風、学校の印象、雰囲気。
オープンキャンパスなどで、自分と合っているかな?と想像しながら見てみよう。
・学校行事(運動会、発表会、文化祭、地域交流イベントなど)にはどのようなものがあるか。
・他校との交流はあるか。サークル活動はあるか。
チェックポイント6 お金について
経済的な理由で中退することになるケースも少なくないが、やる気はあるのに金銭面で中退…となるのはもったいない。
専門学校にも奨学金などさまざまなサポート体制があるので、必要に応じて制度を活用しよう。
<具体的なチェックポイント>
・随時かかる諸費用の内容と金額。
例えば、コンクールに出場するときにかかる費用や検定受検の費用・校内のオプション講座の費用など。
校内の追試費用や、教材の忘れ物にも費用がかかることもあるので聞いてみよう。
・特待生制度・奨学金制度の有無、内容。
日本学生支援機構の奨学金対象校で有るかどうかは必ず確認しておこう。
また、学割定期の対象校かどうかもチェック。
たくさんチェックすることがあるが、実際に学校に行き、職員や先輩に一つずつ聞いて確かめておけば大丈夫。
オープンキャンパス以外の日でも、多くの学校が見学を受け入れてくれ、事前にお願いしておけば先輩と話もできるはず!
学校が選ぶ先輩こそが、その学校が「育てたいと思っている」お手本的な学生ということ。
その先輩の姿が1年後、2年後の自分と考え、しっかりと話を聞いておこう!
お話をうかがった人:西村和美先生
多摩地区高等学校進路指導協議会事務局次長
東京都立昭和高校進路部主幹
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