クリニックでの栄養相談が私の仕事。先生からの指示に基づいて、高血圧や脂質上昇など慢性疾患の患者様に、食事や運動指導を行っています。病院に比べると、患者様との距離が近く、コミュニケーションを取りやすいので、指導的な立場ではなく、あくまでも相談員としての立場でアドバイスをするようにしています。ときには先生には言いにくいことを、私には話してくれることがあるんですよ。私のアドバイスで症状が回復していく様子は嬉しいもの。患者様が元気になった姿を見たときには、やりがいを感じますね。患者様が自発的に食事療法や運動に取り組むことで、体力的にも精神的にも自信を持って社会復帰していただけたらと思っています。
以前、建築関係の仕事をしていたんですが、とにかく忙しく休みがないほどでした。そんなある日、熱中症にかかってしまったんです。それでも休むことができずに仕事を続けていたところ、だんだん食事もできなくなり、栄養失調に。そのときに栄養士さんから言われた「食事は大事だよ」の言葉に、食事の大切さを改めて実感したのが、この仕事を目指したきっかけです。専門学校卒業後は給食会社や大学病院、県立病院などに勤務していたのですが、直接患者様と触れあう機会が多くありませんでした。栄養のアドバイスをするからには近い距離で話がしたい、それができるのは地域密着型のクリニックだと思い、現在の職場に移りました。
この仕事は、最新情報が更新されやすい業種なので、情報収集は必須です。しかし、情報に振り回されない「オーダーメイドの相談」に努め、患者様が自ら気づいて行動できるようにしていきたいです。そして今の目標は、訪問栄養指導の実現です。今後は地域医療の需要が増えてくるので、在宅療養者のサポートとして、訪問栄養指導への取り組みを行っていけたらと思っています。ニーズは高まっているのですが、まだまだ実践しているところは多くありません。栄養士会でも急務だといわれており、セミナーなども開催されているので、私も参加しながら勉強しています。それに加えて、もっと資格を取って自分の幅も広げていきたいですね。
医療法人理秀会 なんば南 藤吉医院 勤務/栄養士学科/2005年3月卒/体調を崩し、前職をやめざるを得ない状況になったとき、食の大切さを実感した小上さん。「食なら辻」と思い、辻学園栄養専門学校に入学を決める。栄養士の必須知識である、給食実習、給食管理、食材、調理の基本などを学ぶ学生生活を送った。「この学校に入ってよかったと思うことは、先生や友人と出会えたこと。今でも交流があって、仕事の励みになっています」。