早くに親が他界した私にとって、「家族が集まれる場所を作る」というのは、長年の夢でした。そのために建築士を取得し、これまでに様々な飲食店などを手掛けながら、「人の集う場所」に向き合ってここまできました。そうして夢が実現し、2012年5月、都内にデザインから内装、施工、すべてを自社で手掛けた「FEATHER STONE HOUSE」をオープン! 店内には母の絵を飾り、「やりたいこと」と「お金」のどちらが大切かを測る天秤をさげ、庭を通って入るような日本住宅の伝統を活かしたアプローチを作るなど、デザインすべてには意味が込められています。“家族が集い、仲間が集い、笑顔の集う場所になればいい”。そう思っています。
高校卒業後、生活のために様々なアルバイトをしていました。そのとき働いていた内装屋で出会ったのが、建築士であり、東京デザイナー学院の講師である金城先生。先生が手掛けた、分厚くてしっかりとした図面を見たとき「この人のもとで建築を基礎から学んでみたい!そして、家族の居場所を作りたい」と思い、東京デザイナー学院に入学しました。その後は一度業界大手の内装業者に就職しましたが、一度の人生、自分が本気で関わり、思いを込められるものを作りたいと独立・起業に踏み切りました。「独立なんて無理」「店を持つなんて不可能」と言われたことも一度や二度ではありません。でも、やりたいことに嘘をつくことはできませんでした。
独立直後「来るものは何でも!」と、がむしゃらに仕事をした時期もありました。でも、それでは自分が納得できませんでした。ただ家やショップという「形」だけを作るのなら、道具さえあればできますし、何かを参考にしてオシャレな内装を手掛けることもできます。自分はデザインの専門学校で建築を学んだからか、「かっこいい」「おもしろい」だけのデザインはできないんです。必ずそこに意味やストーリーを持たせて、しっかりとした愛を込めたい。建物でも、自分の会社のロゴや名刺ひとつでも、その姿勢を貫いてきました。これからも、「絆カンパニーに作ってもらいたい」という人に、精一杯思いを込めたものを届けていきたいです。
KIZUNA COMPANY Co.,Ltd 代表/建築デザイン学科/2008年3月卒/高校時代、母親の他界をきっかけに「家族が集まれる家を作りたい」と決意。在学中、全国賃貸住宅新聞社「集まって住む」優秀賞、同校卒業設計「生きる事」最優秀賞などを受賞。建築士、電気工事士の資格を取得し、卒業後は大手内装業者を経て、現会社を設立。住宅のリフォームをはじめ、RELIEF(新横浜)、六花(横浜)、Mommy’s tummy(みなとみらい)など多くのショップデザインを手掛ける。2012年5月、自身が設計を担当し、自社がTシャツやフライヤー、看板などのグラフィックデザインを手掛けた「FEATHER STONE HOUSE」を東京・聖蹟桜ヶ丘にオープン。