小児矯正を柱に幅広い分野の診療を行う歯科クリニックで、院内技工士として患者さん(小児)の矯正装置製作をメインに手がけています。自分の作った矯正装置がセットされる様子は、必ず見学させてもらうようにしています。そのときは感動を覚えると同時に、そこで得た気づきを次の仕事に生かすよう自身のアップデートを図っています。技術職は新しい知識と技術のインプット・アウトプットの連続です。成長できる環境が整っている中でチャレンジし続けられるかどうかが大事です。現在勉強している難度の高い装置があるのですが、完璧に作れるようになれば自分の価値を高めるだけでなく、患者さんの世界を変えられると思っています。
学生時代、私は作業のスピードが決して早い方ではありませんでしたが、その分一つひとつの工程を丁寧に仕上げることを心がけていました。そうすることで結果的に修正箇所が減り、完成までの時間を短縮できました。2年間で基礎をしっかり学べ、臨床でも生きてくる知識がたくさん身についたことは、今の仕事に役立っています。また解剖学の知識も、現在セミナーや勉強会で学ぶ内容とつながるものが多く、生かされています。2年生の後半からは国家試験に向けてクラス一丸となって学科・実技ともに対策を立て、学生同士がそれぞれの得意科目を教え合うことで知識の向上を図りました。その結果、全員無事に合格することができました。
歯科医療機器の発達により、歯科技工業界も今後さらにデジタル化が進むでしょう。未来を担う私たち若い世代には大きな期待が寄せられていると思うので、常に新しい技術にアンテナを張り巡らせておくことが大事です。自分の得意科目(実習)に合わせて就職先を選ぶのもよいですが、「業界から求められているニーズは何か」という視点で就職先を選ぶと、自ずとやりがいを感じられるようになると思います。私は学生のうちにしかできないことだと思い、自分の視野を広げるために多くのラボ・クリニックへ見学に行きました。そこで今のクリニックに出合うことができました。地域のみなさんのために働くことができ、日々やりがいを感じています。
医療法人良実会 ハピネス歯科こども歯科クリニック 勤務/歯科技工士科 卒/2022年卒/幼いころから細かい手作業が好きで、「自分の特技を誰かの役に立てたい」と歯科技工士をめざす。名古屋歯科医療専門学校のオープンキャンパスに参加して、先生と学生の距離の近さや、カリキュラムだけでなく学校行事も充実していることにひかれて進学。今のクリニックへは「歯科技工士としての価値を高める研修体制が充実している」と魅力を感じて就職。