臨床検査技師として急性期病院の検査部の細菌・遺伝子検査室に所属。主に細菌感染症にかかった患者様の検体から原因となる菌を検出し、感染症診療に必要な情報を提供しています。また、主任として管理業務や職員の教育、さらに、感染対策チームに所属して院内の感染管理や抗菌薬適正使用に関する細菌検査の監視も行っています。ただ検査をするだけでなく、その先にいる患者様の状態を知った上で適切な報告を行うことが大事です。患者様の観察や医師とのコミュニケーションも大切にしながら、日々の検査に臨んでいます。特に重篤な細菌感染症の場合は早期に適切な治療を行うことが重要で、実際に治療に繋げられた場合はやりがいを感じます。
母が看護師をしており、自身も医療に携わるような仕事に就きたいと思っていました。そんなとき、私の性格に合っていそうだと母に教えてもらったのが「臨床検査技師」の仕事です。病院において診断や治療には「検査」が必要不可欠であると知り、そういう形で患者様に関わるのも大事だと興味を持ち、臨床検査技師を目指して熊保大へと進学しました。「熊本赤十字病院」へ転職を決めた理由は、地域の救急医療の拠点であり、小児医療や地域がん診療拠点、さらに災害などの救援活動と高度な医療を実践している病院だったからです。また、ここで検査を全て院内で行う新たな検査室の形がスタートすると知り、県外病院からの転職を志しました。
大学時代、特に助けられたのが、学生5~8名を1~2名の教員が担当するスモールグループ制度です。学業や進路、健康相談など生活の全般について相談でき、安心して過ごせました。また、4年生になり国家試験勉強が佳境になると、仲間達と学生講師を設定して、学生同士で講義をしたり、問題作成や解説をしあったりしていました。私自身も学生講師として、いろんな学生に対応するようにしていたので、学力に加えてコミュニケーション能力も身につきました。この力は若手技師を教育する立場になった今、とても生きています。また、熊保大卒業生の臨床検査技師同士の繋がりが大きく、熊本で働く上で大きな強みになっていることを実感しています。
熊本赤十字病院/保健科学部医学検査学科/2016年卒/宮崎県出身。大学卒業後は千葉、名古屋の病院に勤務した後、新しく検査室ができると先輩に呼ばれて2021年より「熊本赤十字病院」に勤務。熊本に戻ってきたことで、大学時代からずっと交流が続いている大学の先生や、熊保大卒業生同士の繋がりの深さを実感し、その人脈の力を感じる日々だそう。検査室の主任としての立場で、より臨床現場に近い細菌検査室であることを目指すと共に、専門性の高い細菌検査技師を増やすために、日々若手技師の教育も積極的に行う。さらに、個人的には細菌検査の認定資格の取得に挑戦するべく、勉強の日々。