私が働く整形外科病棟は、足や腰の大掛かりな手術のために入院する方が多く、術後はこれまでのように体を動かせなくなることから、気を落とされる患者さんもいらっしゃいます。しかし、術後のリハビリは今後の生活を左右するため、前向きに取り組んでいただく必要があります。身の回りの生活援助を行いつつ、笑顔で声かけを行うことも看護師の大切な仕事。以前のような生活を送ることを目標に、医者や理学療法士と連携しながら、病院内を歩くお手伝いや筋トレのサポートなど、その人に合った介入を行っています。患者さんが退院される日に「加藤君にみてもらってよかった」と言っていただくと、この仕事をやっていてよかったと心から思います。
母が看護師だったため仕事が身近でした。また、中学生のとき東日本大震災が発生。被災地で活躍する災害派遣医療チームDMATの存在を知り、自分も将来誰かのために働きたいという思いに駆られ、東京医療保健大学に入学しました。隣接する災害医療センターでの実習では、的確に指導してくださった看護師の方のおかげもあり、看護師としての心構えや責任感が芽生え、患者さんの病気を詳しく調べたり、過去の授業のノートを読み漁る等、全てを吸収する思いで取り組みました。印象に残っているのは、海外の災害派遣を経験された先生の授業。現地の様子やひっ迫する医療体制など実体験を交え指導いただき、災害医療に備える思いが強くなりました。
最近は新型コロナウイルスの影響で、整形外科の病棟でも救急救命や消化器、癌といった疾患を持つ患者さんを受け入れることが増えました。命に関わる緊張感のある場面や患者さんそれぞれの病状の把握など、幅広い知識や技術の必要性を感じ、看護師としてゼネラリストにならなくてはいけないと実感する日々です。そこへ、偶然にも次年度から救命病棟への異動が決定しました。今後は、様々な疾患を持つ救急の患者さんに関わらせていただきます。経験を重ねれば多方面で活躍できる看護師に成長できますし、災害医療現場で役立つスキルも身につくはず。今から、脳外や循環器といった救急分野の医療を専門的に学んで、異動後に備えようと思っています。
国立病院機構 災害医療センター 8階東病棟(整形外科)勤務/東が丘・立川看護学部・看護学科・災害看護学コース(2020年4月立川看護学部看護学科に改組)/2018年3月卒/国立病院機構 災害医療センターは、大きな災害が起きた時、東日本地域の拠点となる病院であることから、就職を志望したのだそう。有事の時、医療従事者として貢献したいという思いは、今も変わらず常に持ち続けていると語ってくれました。