私たちを支え、寄り添う「コミュニティ」の存在。それは大切なものでありながら、目には見えないせいか、日々の忙しさの中でつい忘れてしまいがちなものでもあります。しかし、当たり前にあると思っていたものが、例えば災害や失業などによって突然失われ、それが孤立や自殺といった問題に発展してしまうことも少なくありません。そうならないために、まちや人々に寄り添い共感される政策や、その体系と手段の仕組みを考えるのがコミュニティ政策論です。社会との大切なつながりや絆である「ソーシャル・キャピタル」を育む都市政策とソーシャル・デザインを研究テーマとして、コミュニティや絆の大切さに日頃から気がついてもらえるよう、社会をまなざし、地域の人々に寄り添うコミュニティ政策の研究にこれからも取り組んでまいります。
戸川ゼミナールでは、地域の困りごと(政策課題)を探し、つながりや居場所をつくるソーシャル・デザインをテーマにしています。その活動から生まれたものの一つが『防災かるた』。「ゼミでは、自治会、消防・行政職員、親子など30名以上に、市民活動団体の方とともに取材を実施。絵札や読み札の制作はデザインを専門とするゼミと協働し、地域の人々の声から得た知見が詰まった防災かるたが完成しました。このかるたが、地域や学校で防災について考え、話すきっかけをつくり、“話してつながる地域防災”に貢献できれば、と考えています」
コミュニティに出かけてみると、地域には困りごとがあり、その気づきがまち助けになるはずです。ぜひソーシャル・デザインを通じてその気づきや思いをカタチにしましょう。そして、一緒に答えを探してみましょう!
専門:ソーシャル・キャピタル、都市ガバナンス、ソーシャル・デザイン
2015年日本大学法学部政治経済学科卒業。2019年筑波大学大学院人文社会科学研究科国際日本研究専攻博士後期課程修了。博士(社会科学)。2020年より千葉商科大学政策情報学部教員に就任。著書に「首都・東京の都市政策とソーシャル・キャピタル-地域振興と市民活動政策のQOLを高め23区格差を改善するガバナンスの実現」