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かつての診療情報管理士はカルテの管理を行う仕事でしたが、近年は病気の分類やその精度の向上に関するDPC業務、医療や病院経営にかかわるデータの分析など、業務内容が幅広くなってきています。医療や病院そのものの質を上げるために重要な仕事ばかりなので、必要不可欠な存在になっていくと考えられます。また、医療の世界でもデジタル化が進み、データの収集や活用を行いやすくなっているため、その分野を担う診療情報管理士は重宝されるといえるでしょう。
「データの管理・分析」は医療機関に不可欠
安心・安全で質の高い医療を提供するためには、診療情報の管理や分析が不可欠です。また、内閣府が提唱している「Society 5.0(仮想空間と現実空間を融合させたシステムにより、経済発展と社会課題の解決を両立する計画)」では医療にも言及し、「データの共有によりどこでも最適な治療を受けられる状態」が理想とされています。診療情報に関するデータの蓄積と活用が重視され始めているといえます。今後、多くの医療機関でデータの活用が進められ、診療情報管理士のニーズも高まると予想されます。
医療現場のデジタル化が進み、必要性が高まっている
医療の世界でも、カルテが電子化されるなど、DX(デジタルトランスフォーメーション/デジタル技術を用いてビジネスモデルを変革すること)が進んでいます。厚生労働省も、バラバラに保管されている診療情報や健康情報を集約し、患者さん自身が活用しやすいよう、データ項目や仕様に関するルールを整えると発表しています。これらの動きによって、医療に関するデータを扱う診療情報管理士の存在が、さらに重要なものになっていくと考えられます。
AIの進歩で診療情報管理士の仕事が変化する可能性あり
2015年に野村総合研究所が発表した「人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」に、診療情報管理士は入っています。診療情報の管理や分類という面では、AI(人工知能)で対応できる部分はあるかもしれません。しかし、価値ある有益な情報を抽出するためには正確なデータを収集し、分析することが前提となります。病院や患者さんによって異なる課題の解決や改善を目指す業務は、人間だからこそできる部分といえます。むしろ、AIが導入されて業務効率化が進むことで、データの分析を行う時間が増え、医療や病院経営の質の向上につながりやすくなる可能性が出てきます。いつか、診療情報管理士の仕事内容が変わっていくかもしれません。
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