教員になってはじめての卒業式の日、クラスの生徒から手紙を受け取りました。そこには「ムッティのような先生になりたい」と書かれていました。ムッティというのは私の愛称です。私自身、高校時代の先生に憧れて教員になりましたし、生徒たちの人生が少しでも前に進むように背中を押してあげたいと考えてきましたので、この言葉は本当に嬉しかったです。これからも、常に生徒に寄り添い、「先生の一言で、頑張れた!」、「先生のお陰で今の自分がいる」といってもらえるような教員になりたいと思います。そして、福祉の学習を通して、人生において最も大切な「人を思いやる心」を生徒たちに伝え続けることが私のやりがいです。
私が同朋大学を選んだのは、まず第一に高等学校福祉科の教員資格を取得できるコースがあったからです。名古屋駅からの交通アクセスが良く、自宅通学が可能なこともポイントでした。実際に入学してみると、少人数のアットホームな大学で、それが自分にはとても合っていたと思います。手話サークルで学んだことも、教員になってから授業で活用しています。これから教員をめざす方には、大学時代にボランティアやサークル活動、アルバイト、趣味など、いろんなことを経験することをお勧めします。同年代だけでなく、さまざまな人に出会うことで新しい価値観を知ったり自分の視野を広げることにつながり、それが教員生活に確実に役に立つからです。
教員の仕事は教壇に立つだけでなく、授業の準備や学校行事、生徒指導、保護者対応など、業務量が多くてハードな面もあります。また、若いうちから大きな責任を任される仕事でもあるので、プレッシャーを感じるかもしれません。でも、教員同士はとても仲が良く、誕生日をお祝いしたり、一緒にスキーに行ったり和気あいあいとしていて、人間関係のストレスはありません。もしも困ったことが起きても、校長先生をはじめ教頭先生や先輩の先生など、ベテランの先生方がアドバイスをくださったり、しっかりサポートしてくださいます。決してひとりではないので、安心してください!
岐阜県立坂下高等学校勤務/社会福祉学部 社会福祉学科 社会福祉専攻 福祉教育コース/2016年卒/視覚障がいを持つ兄がいたことから、子どものころから福祉に強い関心があり、障がい児支援を志して高校の福祉科に進学。ところが、3年生のときに出会った先生の影響で教員の道へ。「その先生はいつも生徒の味方で、私も悩みを相談しては勇気をもらっていました。いつしか私も、生徒の人生の後押しをできる存在になりたいと思ったのです」。ただし、もともと福祉をめざしていただけに「福祉科の教員」しか念頭になく、同朋大学に進学。2016年4月、岐阜県立坂下高等学校に赴任。その年は3年生の副担任に就き、3年目の2018年に初めて担任を持った。