つかまり立ちだった0歳児が、手を離して歩き出す。昨日まで絶対におもちゃを貸さなかった4歳児が、お友だちにお気に入りのおもちゃを譲ってあげる。そんな子どもたち一人一人の成長を身近に見られることが、この仕事の魅力です。鍵盤ハーモニカが苦手な子どもといっしょに練習していた時のこと。「少しできるようになったね」と言ってあげたら、子どもが嬉しそうな笑顔を見せてくれました。そして発表会の後にその子の保護者から「先生と練習して自信がついたと言っていました。ありがとうございます」と言っていただけました。子どもの笑顔を見て、保護者から感謝の言葉をいただく。こんな時、保育士という仕事に就いてよかったと感じます。
中学生の時、児童館で遊んでいたら、子どもがどこかから落ちたかぶつかったかして大けがを負ってしまう場面に遭遇しました。自分は固まってしまって動けないし、周りの子どもたちも騒然。しかし職員の方は落ち着いて応急処置をし、僕や他の子どもたちにも「大丈夫だよ」と優しく声をかけてくれました。カッコイイ、こんな大人になりたい! と思い、将来は子どもに関わる仕事に就きたいと考えるようになりました。高校生の時にはいろいろな専門学校のオープンキャンパスに参加しましたが、どこも女子が多い。日本児童教育専門学校は男女比が半々ぐらいで安心できました。何度もOCに通ったことで入学前に友だちができて、入学後も心強かったです。
日本児童教育専門学校は現場経験が豊富な先生が多いので、事例を基にした授業が充実しています。おもちゃの取り合いなどのトラブルや思いがけない事故など、現場で起こりがちなことを題材にしたグループワークは、実習でも就職した今でも役立っています。また、保育士は子どもだけではなく、保護者や同じ職場で働く職員、地域の方たちとの関わりも多い職種なので、「ほうれんそう=報告・連絡・相談」を密に行っていくコミュニケーションが大切になります。だから「チャイルド祭」という地元の子どもや保護者を招待するイベントの実行委員を3年間務めてコミュニケーションの必要性を深く学べたことは、よい経験だったと思っています。
社会福祉法人 恵正福祉会 とうかいどう保育園/児童教育科(現・総合子ども学科)/2016年卒/3年間、実行委員を務めた「チャイルド祭」では、3年生で委員長を経験。1年目はクラスをまとめることに四苦八苦したが、3年次には優秀なクラスとして表彰された。「委員長の仕事が忙しくてクラスのことはほとんどできなかったのに、みんなのおかげです」。現在は5歳児クラスを担当。卒園式では「きっと泣きます(笑)」。徐々に周りが見えるようになってきたと自己評価をする松葉さんのこれからの目標は、安心を届けられる存在になること。「松葉さんがいれば大丈夫」と、子どもや保護者、職員からも信頼される保育士を目指す。