日本の一発勝負型入試って実は特殊!?世界の大学入試事情
最近は留学、さらに海外大学進学などが話題に上ることが多くなり、高校生にとっても以前より海外の大学が身近な存在になりつつある。そこで気になるのが日本の大学との違い。
日本の大学でも9月入学が検討され始めるなど、入学時期の違いなどは注目されることも多いが、実はそのほかにもいろいろ異なる点がある。その一つが「入試」。世界中どこの国でも日本の大学のような入試が行われているわけではないのだ。
結論からいうと、日本のように大学が個別に一発勝負のペーパー試験を課すのは、世界では珍しい例。欧米では主に書類審査で選考するのが一般的だ。例えば、アメリカは、高校の成績、エッセイ(志望動機は自己PRをまとめた文書)のほか、大学によってはSAT、ACTという学力テストの成績、英語圏以外の受験生の場合はTOEFLスコアなどの提出が求められることが多い。
SATやACTは英語の文法や読解力、数学などの高校での学習成果を測る大学進学適性テスト。日本でいうと大学入試センター試験のイメージに近いともいえるが、センター試験との最大の違いは年に複数回受験できること。SATは年7回、ACTは年6回実施されており、何回でも受験可能。そのうち各科目のベストスコアを提出できるので、日本の大学入試のような一発勝負のプレッシャーは少ない。
ヨーロッパの大学入試でも、重視されるのは高校の成績。高校には国際バカロレア、A-Level(イギリス)といった高等教育に進むための教育課程があり、主にこの課程の成績で大学入学の選考が行われる。課程の修了試験はあるので、強いていえばこれが日本でいう大学入試の位置づけにはなるが、あくまで高校の学習成果を確認するためのもの。
アジアは傾向が異なり、中国では全国普通高等学校招生入学考試、韓国では大学修学能力試験という日本のセンター試験に相当する一斉試験が行われる。中国はこの試験で選考が行われ、大学別の入試はない。韓国は2次試験を課す大学もあるので日本に近いが、それでも小論文、面接、実技がメイン。
こうしてみると、日本の大学の一般入試は海外と比べてかなりハードといえそう。最近はAO、推薦など入試のバリエーションも多様化しているものの、「海外の高校生がうらやましい」と感じる受験生もいるかも!?