私は、ICU(集中治療室)や一般病棟に入院された患者さんと外来の患者さんに対してリハビリテーションを行っています。その中で、患者さんの身体機能や日常生活能力の改善を目指しながら、精神面のサポートも行っています。担当する患者さんが退院する際に「担当してくれてありがとう」と感謝していただけるとやりがいを感じます。また、私は研究活動にも興味があり、企業と連携しながら新たな治療や評価機器の開発にも携わっています。研究活動は、これまで明らかになっていないことを解明でき、先進的なリハビリテーションの実施に役立てることができる点が魅力と感じています。
この分野を選んだきっかけは中学2年生の時、ダンスの練習中に靭帯を損傷し理学療法士からリハビリテーションを受けたことです。その理学療法士が「日常生活だけではなく、ダンスができるまで回復したい」という私の気持ちを理解し、目標に向けたリハビリテーションを実施してくださったので、私はもう一度ダンスができるようになりました。希望する生活だけではなく、気持ちに寄り添った関わりをしてくれたその理学療法士に今でも感謝しています。在学中は、豊富な実習で様々な患者さんに対応したリハビリテーション技術を身につけることができました。今はその技術を活かし、私が目指す理学療法士に向けて日々の臨床や研究に力を入れています。
藤田医科大学リハビリテーション学科の1番の魅力は、豊富な臨床実習で実践的な技術を学べることです。臨床実習では、大学病院で勤務する療法士の先生方から現場で必要となる実践的な技術を直接教えてもらい、患者さんに実践することで理解を深め、確かな技術力を身につけることができました。また、4つの教育病院と地域包括ケア中核センターでの臨床実習により、急性期、回復期、生活期の全ての時期で実施するリハビリテーションが学べます。様々な患者さんを経験することで知識を深められるほか、将来どんな病院で働きたいかを明確に想像できます。在学中のこうした経験は専門職として仕事をするための基礎として非常に重要であったと感じます。
藤田医科大学病院 リハビリテーション部 勤務/保健衛生学部 リハビリテーション学科 理学療法専攻 卒/2016年卒/小児から高齢者まで様々な年代の患者さんを担当。患者さんのモチベーションを上げるために、「歩いて家に帰ろう」「車いすに乗れるようになろう」などのように患者さんと目標を共有していると話します。「リハビリテーションをためらう患者さんと1時間話し合うこともありますが、私が中学生の頃に経験したように、最後まで寄り添うことを心掛けています」。今後の研究課題は、脳卒中患者の歩きの分析だという伊藤さん。「筋緊張のメカニズムを解き、今まで明らかになっていないことをこれからの研究活動で明らかにしたいです」と語る。