広告やポスターなど、紙媒体全般の制作を手がけています。この春、主任をまかされたことで、流通大手の新聞折り込みチラシを受注から納品まで、責任者として担当することになりました。どんな紙面にするかクライアントとの打ち合わせから始まり、スタッフへの指示、撮影の立ち合い、デザイン制作、進行管理など、幅広い業務に取り組んでいます。自分がデザインした商品が売り上げを伸ばすなど、成果が目に見えることがこの仕事の喜び。思うような評価を得られなくても、一つひとつの経験が自身の成長につながっていることを実感しています。納期に間に合わせることが鉄則の仕事だけに、進捗管理がうまくいったときの達成感もひとしおです。
1~2年次にグラフィックデザインを中心に、3DCG、映像・ゲーム制作など、クリエイティブな分野の科目を幅広く履修しました。3、4年次にはゼミの先生を通じて実際に企業から依頼された広告デザインやディスプレイデザインの制作に参加し、仕事の取り組み方や進め方を学べたことが強く印象に残っています。卒業制作では、ブランディングをテーマにブランドコンセプトからロゴデザイン、プロダクトデザイン、商品制作まですべてを一人で手がけ、毎年東京で開催されているデザインフェスタに出店しました。お客さまから直接商品の感想をいただくこともでき、一連の工程を経験できたことはデザイナーを目指すうえで大きな自信になりました。
実際に仕事に就いて、ひとつの制作物をつくるためにはディレクションがいかに重要かがよくわかりました。とくにチラシは分担してデザインするため、進捗管理だけでなく、クオリティの統一や制作スタッフとの連携が欠かせません。現在も納期に遅れることなく仕事を進めていますが、改善できるところは改善し、ディレクションの質を上げたいと思っています。今後は、3DCGによるキャラクター制作とそのディレクションを担当することが決まっているので、3DCGソフトを使いこなせるようになることが目標です。大学時代に一度触れたことがある程度で本格的に使うのはこれが初めて。新しいことを学ぶおもしろさを感じながら、日々練習に励んでいます。
総合商研株式会社 制作本部勤務/情報メディア学部 情報メディア学科 卒/2020年卒/子どもの頃からイラストを描くのが好きで、中学のときは美術部に所属。「高校卒業後は専門学校ではなく、札幌の大学を希望していたため、広告デザインやグラフィックデザインを基礎からしっかり学べる北海道情報大学へ進学しました」と田中さん。IT系のデザインに関心はなかったものの、1年次に3DCGを経験したことが現在の仕事に役立っているという。「いろいろな分野に触れ、自分の進む道を見つめ直すことができるのがこの大学の強み。2年次へ進学する際、最終的に専攻を決めるので、そこで専攻を変えた人もいます」と教えてくれた。