美容室はトレンドでなく、ライフスタイルを築く場所。その信念のもと2019年11月にカフェ併設のサロンを開きました。現在はカフェ専門店を含め、3つの店舗を共同経営。店名の『PAUSE』に込めたものは、少し立ち止まって自分を考える時間を作ってほしいという想いなんです。店舗の運営も楽しい仕事ですが、僕の基本はあくまでサロンワーク。お客様と向き合い、施術を通してお互いの感度を近づけながら、素敵な毎日を形づくるお手伝いをする…。そこから始まるお客様との長い関わりも、この仕事のやりがいだと思います。もちろん経営者の視点で見ると、成長するスタッフの姿を見るのも最高の嬉しさ。スタッフの夢は僕の夢と同じですから。
美容師や経営者に加え、プロデューサーという役割も持つ僕は、撮影をはじめとするクリエティブな業務に多く携わります。そんな時に役立つのが、KANBIの自由な校風のもとで養われた感性。イベントなどさまざまな発表の場を通して、音作りをしたり、映像を編集したり…。これからの美容師には+αのスキルが必要なんだと教えてくれた場所でした。また、技術面だけでなく、目標に向かう姿勢や人との向き合い方など、熱意ある先生のもと人間性も育てていただきました。だからでしょうか。就職説明会に参加しているわけではないのに、不思議とここにはKANBIの卒業生が集まるんです。きっと同じ本質を持っているからかもしれませんね。
今、SNSはトレンドを創るものとして捉えられがちですが、その根本は人と人をつなげるツールです。美容師になって10年になりますが、昔のお客様や海外に行かれたお客様など、これまでのキャリアを通して出会った方がいまもSNSを通じて僕を応援してくださるし、このお店にも来てくださいます。美容師として確固たるスタイルを築けば、今やどこでお店を開いてもお客様が集まる時代なんです。僕もそんなつながりや期待を力に変え、お店のブランドの浸透や海外事業への挑戦に力を注ぎたい。そのためにスタッフの夢や生き方も全力で応援するつもりです。人が育って初めて、会社は大きくなる…。僕もみんなと一緒に成長を続けていきます。
『PAUSE』 代表/美容学科 卒/2010年卒/KANBIを卒業後、東京や関西のサロンで腕を磨いた羽田さん。その後はフリーの美容師として活動しながら、ニューヨークやパリをゆっくり巡った。「さまざまな経験を通して気づいたのは、“面白いこと”を自由に表現できる美容師の可能性。形にしたいサロンのイメージが固まったことで独立を決意しました」。その想いを体現するお店こそが、2019年にオープンした『PAUSE』だ。「お客様の理想のライフスタイルを一緒に描くうえで、“食”は大切なこと。カフェを併設した理由はここにあるんです」。お客様からスタッフまで、誰かを大切に思う彼の愛情が、このサロンをさらに魅力的にしている。