生まれ育った大阪府松原市の消防本部に勤務しています。消火、救急など幅広くやっていますが、今は救助活動がメイン。通報から時間がたつほど状況は悪くなるので、いつでも出動できるように準備して待機し、いち早く現場に駆けつけます。出動がない場合はほとんど訓練に明け暮れ、夜の待機時間も筋トレなど自主的に基礎体力の向上を図っています。そういった訓練の様子は、一般の方の目にはあまり触れません。人の命を助け守ることは、大きな使命と責任、そして地道な努力を伴いますが、他ではなかなか体験できない達成感を得られます。また、傷病者を助け出した後などに、「ありがとう」と言ってもらえるとうれしいですね。
いわゆる高校球児でした。栃木の有力校に野球留学し、その後野球推薦で大学に進学しましたが、肩をこわしてしまって中退。父と同じ警察官を目指そうかと思いました。でも、やはりスポーツに未練があり、スポーツ関係の仕事にも興味がありました。調べてみると、公務員もスポーツ系の仕事も学べるコースが大阪社体スポーツ専門学校にあり、この学校で再スタートをきりました。転機となったのは東日本大震災です。同じカラダを使う仕事でも、カラダを張って人の命を救う仕事がしたい。こうして、最終的に消防士という職業にいきつきました。採用試験の倍率は高かったのですが、必死に勉強した甲斐もあって無事合格しました。
もちろん火災や事故は、起こらないのが理想です。極端なことを言えば、消防士が暇になるような平穏な日常であってほしい。そんな日が来ることを願いつつ、常にしっかり準備したいと思います。もちろん、自分ひとりでは何もできません。救助隊はチーム活動であり、命を預け合う仲間とのコミュ二ケーションが重要です。そこで、大阪社体で学んだ社会人としての礼儀やビジネスマナーなどが大いに役立っています。後輩も増えてきたので、後輩たちから目標にされる先輩になるのが今の目標です。そして、いかなる環境でも冷静かつスピーディーな救助活動が行えるよう日々勉強しています。
松原市消防本部 勤務/公務員コース(現:警察官・消防官コース) 卒/2010年卒/栃木県/私立青藍泰斗高校出身/高校野球名門校での野球留学を経て、野球推薦で大学進学。肩の故障により中退し、スポーツを学びながらクラブ活動で硬式野球を続けられる大阪社体スポーツ専門学校に入学する。「人の役に立ちたい」という思いから、消防士や警察官を目指せるコースを選択した。芝池さんの姉も同校卒業生である。