自分が設計したものがだんだんとカタチになっていくこと、そして完成後にお施主様に喜んでいただけることが、建築士の仕事の何よりのやりがいです。現在勤務している設計事務所は、戸建て住宅だけでなく、マンション、ショールーム、施設など、幅広い物件を扱っているので、物件ごとの違いやその都度新しい発見があることも大きな魅力です。私のモットーは、できるだけお施主様のご要望を叶えること。もちろん予算などさまざまな条件が重なることで、お施主様の理想をすべて叶えることは難しいのですが、「これが無理ならこちらの案で」など、プロならではのご提案をしながら理想の建築物をつくりあげていくことを大切に考えています。
小学生の頃からまちづくりゲームが好きでした。そのうち、ゲームに登場するランドマークなどの建築物に魅せられ、「どうやって作られているのだろう」「自分も設計してみたい」と思うように。学校を選ぶ際は、専門学校だけでなく大学も視野に入れ、複数の学校を見学。その結果、同じ4年間のカリキュラムでも、専門学校は建築に特化した学びが多く、仕事に直結した学校生活が過ごせるのではないかと思いました。最終的に中央工学校を選んだ決め手の一つが充実した設備。中でも図書館は3万5千冊もの蔵書があり、建築関連の専門書やバックナンバーも揃っています。大学でもここまで建築系の本が揃うところは、私が見た限りありませんでした。
専門学校の学びは、すべて今の仕事に役立っています。建築の基礎や設計の考え方、デザインなど、現場をよく知る先生方から徹底的に教わり、建築士として仕事をするための基本をすべて身につけることができました。また建築学科は4年制なので時間的な余裕もあり、部活(山岳部)も楽しみました。そしてもう一つ私の財産となったのが、専門学校の図書館でアルバイトをしたことで得た幅広い視野。蔵書や新刊を紹介するためには自分がいち早く読むことが必要なので、建築関連の本にはとにかく目を通しました。そうすることで自然と知識が増えていったんです。校内でのアルバイト制度はこの学校ならではの特長。皆さんもぜひ挑戦してみてくださいね。
株式会社がもう設計事務所 勤務/建築系(建築・木造・設備・インテリア)/2014年卒/中央工学校を卒業後、建設会社に入社した後、2017年に「がもう設計事務所」に転職。同社は在学中にインターンシップをしていた会社だそう。お施主様へのわかりやすい説明がモットーで、専門学校で学んだスケッチや、完成後の建物を細部にわたって立体的に見ることができるBIMを活用しながら「見て理解、納得できる」説明が評判だ。BIMに関しては高度なスキルを身につける努力を欠かさないほか、業界でのBIMの普及にも力を入れている。「当面は現在の会社で幅広い建築物を手掛けたいと思っていますが、ゆくゆくは独立も視野に入れています」(幾島さん)。