理学療法士として、先天性の疾患をもつお子さんたちの運動発達を促すためのリハビリや、食事や補装具のサポートを療育センターで行っています。このセンターは外来だけでなく、通園という形でお子さんたちが通う施設も併設しています。障がいを抱えるお子さんとの生活は、私たちが想像する以上にご家族の負担も大きいのが実情です。そのなかでもリハビリをしたり、補装具を導入したりすることでご家族の負担は変わるもの。負担が減れば、ご家族の心にもゆとりが出てきますし、不思議とお子さんもいい表情になっていきます。ご家族の心身の健康が、こどもたちの健やかな成長に繋がります。そのサポートができたときに、とてもやりがいを感じます。
学生時代は、とにかく授業の復習をするよう心がけていました。ノートは必ずまとめ直すようにしていて、そのときの頑張りが見えるノートはいまでも大切にとってあります。分からないことはそのままにせず、先生方に相談するようにしていたので、仕事を始めてからも、困ったときは相談する習慣がついていたのはよかったですね。専門的かつ実用的な知識を学生時代に学ぶことができたので、仕事に就いてからもこどもの発達についてはつまずくことなく、スムーズに知識を深めることができました。また、卒業してからも横リハの先生方は“先輩セラピスト”や“先輩お母さん”として相談にのってくれ、私の道しるべとなってくれています。
この仕事は「深い思考力」を持ち、背景まで含めて物事を捉えることが大切になります。障がいをもつお子さんのご家族、そしてお子さん自身はとても複雑な心境に置かれています。攻撃的になる人もいれば、悲観的になる人もいます。すべての言動には真意があり、「あの人はあぁいう人だから」と割りきってしまったら、そこで支援は止まってしまいます。そのためにも私は普段からご家族と話すようにしていて、何気ないコミュニケーションのなかからご家族が抱える悩みや問題を見出すよう努めています。そして、私自身も育児をしながらこの仕事を続け、お母さんやご家族と共感し合える理学療法士になっていきたいと考えています。
横浜市リハビリテーション事業団(横浜市戸塚地域療育センター)/理学療法学科/2011年卒/小学生の頃、体に麻痺があり、リハビリに通っていた友人から「夏希ちゃんのような人がリハビリの先生だったらいいのにな」と言われたことが理学療法士をめざすきっかけに。学校説明会の際、先生方がとても熱心だったことが印象的で、横リハへ進学。「先生方にはいつも『何で』『何で』と言われてきました。最初は何を疑問に思ったらいいのか戸惑いましたが、調べて確認することで知識が深まり、より面白さを感じることができました。知識が増えることは楽しかったですね。卒業するときには表彰をしていただきました!」