私が担当しているのは急性期の病棟で、怪我の手術で入院された方のリハビリはもちろん、消化器や脳、心臓に疾患があり手術・入院された方も担当しています。手術後に退院まで寝たきりでいると脚を中心に筋力が落ち歩けなくなったり、合併症を起こしたりするので、可能な範囲でリハビリをする必要があります。急性期の患者さんがリハビリをする際には、例えば少しの運動で血圧が上がりすぎるなど症状が悪化することがありますので、無理のない範囲でできる内容を選ぶなどリスク管理が大切になりますし、信頼関係も重要です。患者さんに接する際には、小さな変化にも気がつけるように心掛けています。
高校生の時に陸上部に所属しており、怪我をしてしまったことがありました。大した怪我ではありませんでしたが、大会に出られる状態まで回復できるか不透明で不安だった時、整形外科の理学療法士の方に献身的にサポートしてもらいました。リハビリの指導も的確でしたし、人間味のある関西弁でメンタル面も支えてくれて、なんとか走れるようになりました。ずっとスポーツをしていたので、それまでも「人の身体に関わる仕事をしたい」と思っていましたが、この出会いで「この人のように、人を支える仕事をしたい」と思うようになり、理学療法士を志しました。現在の職場には、より大変な状態の方の役に立ちたいと思って就職しました。
入学してすぐに仲のいいグループができ、テストの成績で競いあったり、国家試験の勉強では学校が閉まる時間まで残って一緒に勉強したりしました。医療系なので覚えることが多く勉強は大変でしたが、それだけに仲間と一致団結して乗り越えることができました。先生方も学生と壁を作らず、勉強以外のことも相談できるような関係でした。一人ひとりの学生をしっかり見ていてくれる大学だったと思います。在学中は整形外科のクリニックでリハビリ助手として長くアルバイトをしていました。大学の先輩も在籍されていましたし、クリニック主催の運動教室を私が中心になって運営させてもらえたこともいい思い出です。
東京大学医学部附属病院 勤務/健康科学部 理学療法学科/2022年卒/千葉県出身。「元々視野が広いほうではないので、小さな変化に気がつけるように、普段から町並みを観察したりしています」と理学療法士としての心構えを語る。「患者さんの一番近くにいて、未来を預かる仕事です。高校生の頃に出会った理学療法士の方のように、患者さんの心に寄り添えるようになりたいです」とのこと。休日には草野球をしてリフレッシュしている。