ツインタワーと空中庭園展望台で知られる梅田スカイビル。その空中庭園を見下ろすように隣接しているのがウェスティンホテル大阪です。私がこのホテルに入社したいと思ったのはレストランの評価が高いと同時に、新人調理師にも雑用だけでなく、実力に見合う仕事をさせてもらえること。実際に入社1年目からソースやガルニチュール(付け合わせ)を、2年目には冷製の前菜などを担当しました。西洋料理レストランからバー、ラウンジ、ルームサービス用の料理にも携わり、あるキャンペーンでのメニュー開発で、私のレシピが採用されたこともあります。そんな私の仕事のやりがいは、私の作った料理がお客様に喜びや感動をもたらすことです。
母子家庭で育った私は、子どもの頃から夕食を作るのが日課でした。調理に興味を持ったきっかけは、小学3年生の時に作った手ごねハンバーグが母親に喜ばれたこと。高校時代には友達に手ごねハンバーグを振る舞い、ここでも評判が良くてプロを目指そうと決めました。数ある調理学校の中からecole UMEDAに決めたのは、製菓と調理のWライセンス制度があるから。1年次に製菓を、2年次には調理全般(和・洋・中)を学ぶことで、将来的な可能性が広がると考えたのです。ちなみに授業で学んだ肉料理のノウハウをハンバーグづくりに活かし、高校時代の友達に再び食べてもらうと「これまで食べた中で一番おいしい!」と感激されました。
ecole UMEDAでの学びは、入学前からスタートしていました。オープンキャンパスでだし巻き卵の調理体験に参加したのですが、なかなか上手くできない私に、先生が「心配ないよ。あきらめなければ大丈夫」と声を掛けていただき、ていねいに指導してくださいました。入学後は「毎日つくる実習」で製菓と調理の技術を基礎から応用までマスター。製菓ではタルト製作の、洋食の調理では何度も練習したフォン(ソースのベース)づくりの技術が現在の仕事に活かされています。思い返すと毎日の実習は厳しいけれど、それ以上に楽しい学生生活でした。これからの調理師人生も、より良い料理づくりを目指して毎日努力しながら、楽しく過ごしていきたいです。
ウェスティンホテル大阪(株式会社テェルウィンコーポレーション) 調理部 アマデウスキッチン 勤務//調理師科 卒/2019年卒/子どもの頃から毎日のように料理をしてきたYさん。ecole UMEDAに入学後、自己流の壁の突破を実感し、調理の面白さが増大したという。「料理を最もおいしい状態で提供するにはタイミングが大切です。例えばワンディッシュでメインとソース、付け合わせを提供する時、すべてが同時にできあがるのが理想。厨房では各担当が「あと何分」「もうすぐ」などと声を掛け合っているのですが、ここでも在学中に身につけたコミュニケーションとコンビネーションが役立っています」。