急増する外国人観光客を受け入れる国際空港の機能強化が求められています。東京の通勤電車が大混雑する一方、地方では路線バスが廃止され高齢者が困っているというニュースも耳にします。こうした課題に向き合い、文系・理系の枠にとらわれない総合学問の立場から「交通を科学する」のが私の研究室。時差通勤ポイント制度や人と貨物を一緒に運ぶバスの運行など新たなアイデア導入時の人やモノの流れを分析し、最新技術を生かした施策を提案・実現させることで、安全・便利で持続可能な交通システムをつくりたいと考えています。さらに、地方創生という視点から水上飛行機やクルーズ客船の研究に取り組んでいます。宇宙旅行に行くための「スペースポート(宇宙港)」をつくろうという夢のある研究にも取り組んでいます。
轟先生の研究室には乗り物好きな学生が集まってきます。好きなこと、それを「趣味」から「学問」に変えるためには社会に目を向けることが大切。そこで、鉄道や航空・空港などを管理運営している関係者との共同研究には可能な限り学生に参加してもらい、交通システムの最適化を図るためには何が必要かを現場の視点で考える機会を数多く設けています。また、工学的な知識・スキルはもちろん、マーケティング、交通経済学、交通事業などの領域も学ぶことで、鉄道・航空・行政など、さまざまな分野で活躍できる交通技術者を育んでいきます。
未来の交通システムを夢見ることは本当に楽しい!しかし、夢で終わらせないためには科学する目が必要であり、その原点は、常に「何故?」という疑問を持つ心です。大学では、とことん「何故?」を追求してください。
専門:交通計画、公共交通、空港
略歴:1993年、日本大学大学院博士後期課程 理工学研究科 交通土木工学専攻修了。1996年、東京大学工学部土木工学科講師。1997年、高知工科大学工学部社会システム工学科助教授。2003年、日本大学理工学部社会交通工学科助教授。2008年より現職(2013年交通システム工学科に名称変更)。2016年、「ジャパン・レジリエンス・アワード」最優秀レジリエンス賞受賞。