専門は景観まちづくり。日本は2000年代初頭に人口減少社会に入り、少子高齢問題も相まって、地域の景観が良くも悪くも変容しつつあります。しかし、地元住民が手を取り合い、地域資源を有効活用することで、豊かな地域景観が作り出せます。最近こうした「地域再生」に取り組んでいます。さらに、最近、海岸防災が注目されていますが、防災一辺倒で日常生活が窮屈になってしまえば本末転倒です。学ぶべき事例としてハワイ州の景観に配慮した海岸防災まちづくりがあります。海岸線から一定距離後退した高波・高潮の影響が及ばない陸域で都市開発を行えば、その開発地を守る構造物が不要となり、海と都市が一体となった豊かな海岸景観が作り出せる制度です。構造物のみに依存せず、都市開発地の選び方という地域全体で海岸防災を考えることが大切です。
岡田ゼミは、まちづくり団体や自治体から地域活性化の相談が寄せられ、ゼミ生たちはグループワークを通じて課題解決にあたっています。東日本大震災被災地の福島県いわき市では、小学生たちとゼミ生たちがまち歩きで発掘した「津波に負けなかった町のおススメスポット」と、津波避難経路が同時に理解できる独自マップを作りました。岐阜県恵那市では、10年前から田園地帯のローカル鉄道(明知鉄道)の無人駅をカカシで元気にするイベントを行い、今や明知鉄道主催のカカシコンテストに発展し、地域活性化に貢献しています。
まちづくりとは、「地域に笑顔を作る仕事」です。大学で学ぶ建築・土木・都市計画などの知識や技術を生かして、地域の人たちが自分の街を愛し、周りの人からも愛されるまちづくりのプロジェクトに参加しませんか?
専門:景観まちづくり、地域活性化、ビーチフロントマネジメント、ウォーターフロント計画
略歴:日本大学大学院理工学研究科海洋建築工学専攻海洋建築工学専攻博士課程修了。博士(工学)。日本大学理工学部助手、同専任講師(途中、米国ハワイ州立大学海洋・地球科学研究所客員研究員)、同准教授を経て、2014年より同まちづくり工学科教授、現在に至る。日本都市計画学会年間優秀論文賞(2012年)などを受賞。