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私立大学/東京・福島・千葉・神奈川・静岡

ニホンダイガク

地上の極地で自然の恵みからエネルギーをつくる

理工学部 電気工学科 教授 西川省吾
南極にある昭和基地では、常に数十人の隊員が多様な調査・観測活動を行っています。各種活動や日常生活を行う上では、多くの電気・熱エネルギーが消費されますが、それらは日本から観測船「しらせ」により輸送される化石燃料(主に軽油)で賄われています。そして、観測船が輸送する荷物の約60%が燃料であり、より多くの調査・観測のための機材等を運搬するには輸送燃料の削減が重要課題になっています。また、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生量を削減するためには、化石燃料に代わるエネルギー源の確保が重要です。このため、南極での活動を推進する国立極地研究所では、現地で利用可能な太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの開発を進めています。

現在、太陽光発電や風力発電は世界で急速に普及拡大している段階ですが、昭和基地周辺の気象は非常に過酷で、国内での広く使用されている太陽電池や風力発電の各設備は、そのままでは信頼性等の問題で長期間、運転を継続することが困難です。このため、太陽電池については、設置条件(太陽電池の傾斜角度・方位)が信頼性や発電性能に与える影響を把握するため、写真1に示すような試験設備を現地に設置し詳細なデータを取得しました。その結果、昭和基地においても東京都ほぼ同じほどの発電量が得られることを確認しました。
写真1 太陽電池試験設備(夏季)
(提供:国立極地研究所)
しかしながら、太陽電池は太陽光が当たり続ける限り発電可能ですが、冬季の3カ月は太陽が沈んだままの状態(極夜)になるため、全く発電しなくなります。このため太陽電池だけで年間を通じてエネルギーを取得することが困難なため、年間を通じて風の強い昭和基地に適した風力発電の導入も検討しています。ただし、風力発電は太陽電池以上に出力が激しく変動するという欠点もあります。

<メッセージ>
昭和基地において、このような実証試験を行っている大学は日本中でも当研究室だけであり、世界を見渡してもほとんどありません。すなわち、「オンリーワン」の研究をしているといえるのです。皆さんも誰も行っていない研究に、ぜひともチャレンジしてもらいたいと思います。
日本大学(私立大学/東京・福島・千葉・神奈川・静岡)
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