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”非線形微分方程式の世界へ” ~ 難しさ、複雑さを楽しもう ~

数学科 教授 利根川 聡
 数学の世界には、いろいろな方程式があります。これまで学校で、1次、2次、…、n次方程式 に出会ってきたことでしょう。これらの方程式は、代数方程式と呼ばれています。それに対し、私が研究している方程式は微分方程式と呼ばれるものです。代数方程式の解は「数」ですが、微分方程式の解は「関数」です。
 私が研究対象としている微分方程式は、相対論や量子論という物理分野に端を発する方程式たちで、中でも線形で「ない」もの(そういう方程式を「非線形微分方程式」といいます)です。ここで「線形」とは、大雑把に言うと「1次の」「1次式で表される」というような意味です。
 さて、1次方程式は簡単に解が求まったのに対し、2次方程式は解を求めるのが少し難しくなりましたね。また、全ての係数を実数とした場合、1次方程式はいつでも実数の範囲で解が求まったのに対し、2次方程式は実数の範囲で解が求まらずに複素数という新しい数の世界が必要になることがありました。
 微分方程式の世界においても、線形微分方程式(≒1次方程式)に比べ非線形微分方程式(≒2次、3次、…、n次方程式)は、解を求めたり、解の性質を調べたりすることが一般に難しく、加えて、解の構造が複雑になります。しかし、「難しさ」の部分に「面白さ」が潜んでいます。また、構造が複雑になることで、解はより「探求し甲斐がある」対象になります。
<メッセージ>
 相手が手強そうであればあるほど挑戦したくなる、そういう方々を待っています!
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