私が働いている「株式会社BOUKENWORKS」は、自治体向けに謎解きイベントやグッズを企画しています。私はデザイナーとして、会社のすべてのデザインの制作や、他のデザイナーへのアートディレクションなどを行っています。イベントに顔を出して参加者の方と直接お話しする機会も多く、私が制作したグッズを手にとったお客様から「かわいい!」と直接感想を頂いたり、「デザインが良いから」とグッズを購入してくださるのがやりがいになっています。この仕事では、トレンドに合わせて制作物のテイストや自身の技術を更新していく必要があるため、仕事以外の場面でも、流行のイラストやデザインを意識してインプットしています。
元々イラストを描くことは好きだった私が文星芸術大学に入学したのは、イラスト以外の制作技術や知識も学ぶことができるので、創作の幅を拡げられると考えてのことです。ですから在学中も、幅広い物作りに触れるためにいろいろな制作にチャレンジしました。幅広い分野の物作りやアートに触れることで色々なアイデアをインプットできたこと、そして少人数で教授たちと親密な距離感だからこそ、専門分野を越えて物作りの根底にあるものを学べたことは、デザインする対象が多岐に渡る現在の仕事にも活かされていると感じます。一年間かけた卒業制作の作品に対して学校から賞をいただいたことは、いまでも印象に残っています。
イラスト・デザイン業界で活躍するには技術はもちろんのこと、日頃から細かいところに目を配れることが重要になります。制作物のディティールや細かいクオリティまで普段から意識し、向上させていくことができれば自然とスキルもアップしますし、組織に所属するデザイナーにとっては一緒に働く人の能力や、日頃どう動いているかを観察することが、円滑なチーム運営のためにとても重要になります。これからデザイナーを目指す皆さんにお勧めするのは、「ライバルを見つける」ことです。同学年や先輩・後輩などにライバルを見つけ、その人の自分より優っている部分を目標に、意識して学業に励むことで、私自身スキルアップできました。
株式会社BOUKENWORKS 勤務/美術学部美術学科デザイン専攻/2010年卒/大学在学中に、課題の制作を通じて「デザインやイラストを描く仕事をしていきたい」と感じ、デザイナーを志す。現在は自治体専門周遊イベントのプロデュース会社「株式会社BOUKENWORKS」でのデザイナーの他、フリーランスのデザイナーとしても活動。それだけにより幅広いデザインが行えるよう、技術の向上に余念がない。「将来的にはアーティストとしても活躍したい」と現在の目標を語る。