ホログラフィで究極の三次元表示を目指す
応用情報工学科 教授 吉川 浩
現在実用化されている三次元表示は、特殊なメガネをかけて右目と左目に別々の映像を提示するなど、人間が現実世界を見る時とは異なる方式である。それに対して、究極の三次元画像表示技術であるホログラフィは、物体からの光の強さと方向を完全に記録することが可能である。そのため、物体がそこに在るときと全く同じ光を再生することが可能であり、像が3次元的に見えると言うよりも、光を見ている限りは実物との区別ができない。レーザ光を用いて実物を記録再生する技術は完成されているが、コンピュータを利用して仮想物体の三次元ホログラフィを実現する研究は世界各国で活発に行われている。当研究室では、高画質のホログラムを効率良く高速に計算機で生成する研究や、計算したホログラムを出力する特殊なプリンタの研究を行っている。図に示すように、先ずは物体の形状や色、質感をコンピュータグラフィックスで使われる形式で用意する。次に、このデータをホログラム計算用に点の集合に変換し、光学的なホログラムの作成過程を計算機内でシミュレートしてホログラムの情報に変換する。これを、解像力が0.35ミクロンの特殊なプリンタで出力し、光を当てると真の三次元画像が再生できる。
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