”地上に人工太陽を作る” Aneutronic Fusion の実現をめざして
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物理学科 特任教授 髙橋 努
太陽や恒星を進化させるエネルギー源となっている核融合反応を地上に実現し、地上に人工太陽を作る研究を行っています。21世紀の最重要課題である地球環境問題とエネルギー問題を解決を目指しています。人工太陽となる条件(ローソン条件)下では燃料は10億度を超える超高温状態となります。この状態は、燃料が正の電荷電荷を持ったイオンと負の電荷を持つ電子からなる状態からなるプラズマ状態となります。私たちの研究グループでは、燃料として重水素(D)とヘリウム3(3He)や水素とホウ素13の反応を用いる中性子の発生がほとんどない核融合反応(Aneutronic Fusion)が実現できると注目されている磁場反転配位(FRC)のプラズマ閉じ込めについての実験的研究を行っています。D-3Heの燃料を用いる場合、1cmの立方体の中に、千兆個の燃料を温度80億度で1s以上閉じ込める必要があります。このような状態のFRCプラズマを作るためには、まずプラズマを追加熱ができるような状態のターゲットFRCプラズマの生成が必要となります。このターゲットプラズマ生成のために、温度100万度、1cmあたり1000兆個の密度を持つFRCプラズマを2個生成し、相対速度500km/sを超える速度で衝突させ高温高密度のターゲットプラズマを生成する手法の開発を行っています。(図は、相対速度200km/sで衝突させプラズマの半径の時間変化で配位時間の伸長が観測されている。写真はこれまでグループで作成したプラズマ発生装置(NUCTE-III/T,FAT-CM)およびプラズマないの磁束密度分布を計測するために自作した小型磁気プローブ(大きさは10mm×2mmの断面積で15巻)
<高校生へのメッセージ>
これらの研究は、実験装置の設計・製作から始まります。実験装置を性能を調べる計測装置、プラズマの性質を調べる計測装置の立ち上げへと続きます。これらを遂行するには、物理学が基礎となる機械工学、電気工学、電子工学の知識・技術が必要です。実験企画、実験結果の解析、実験結果のまとめでは、PCの利用が必須で情報工学、数学、数値計算の知識・技術が必要です。物理モデルの構築、研究総括、論文作成などには、物理・数学の力に加えて語学力も必要です。このように研究には、物理や数学などの理学的な考え方はもちろん、工学的なものづくりの要素、理工学の様々な分野の知識・技術が必要です。また、これらの研究は、一人ではできません。様々な人たちとの協力の下で進められ、コミュニケーション能力も必要となります。皆さんは、これらの研究の一端を経験することにより理工系の基礎となる物理学の考えをベースに、理工学における様々な分野における応用力を身につけて技術者や研究者の卵として卒業・修了し、主にものづくりを中心とする機械・電気・電子・材料工学の分野で活躍しています。
<高校生へのメッセージ>
これらの研究は、実験装置の設計・製作から始まります。実験装置を性能を調べる計測装置、プラズマの性質を調べる計測装置の立ち上げへと続きます。これらを遂行するには、物理学が基礎となる機械工学、電気工学、電子工学の知識・技術が必要です。実験企画、実験結果の解析、実験結果のまとめでは、PCの利用が必須で情報工学、数学、数値計算の知識・技術が必要です。物理モデルの構築、研究総括、論文作成などには、物理・数学の力に加えて語学力も必要です。このように研究には、物理や数学などの理学的な考え方はもちろん、工学的なものづくりの要素、理工学の様々な分野の知識・技術が必要です。また、これらの研究は、一人ではできません。様々な人たちとの協力の下で進められ、コミュニケーション能力も必要となります。皆さんは、これらの研究の一端を経験することにより理工系の基礎となる物理学の考えをベースに、理工学における様々な分野における応用力を身につけて技術者や研究者の卵として卒業・修了し、主にものづくりを中心とする機械・電気・電子・材料工学の分野で活躍しています。
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この先生・教授に出会えるのは・・・
日本大学 理工学部 物理学科
日本初のノーベル賞受賞者湯川秀樹博士の進言により設立。素粒子論や宇宙物理、大型装置による核融合研究などを推進